10月18日から22日にかけてカナダ・モントリオールで開催されている第20回世界糖尿病会議で、インスリン治療中の2型糖尿病患者を対象に行われているCREDIT試験において、ベースライン時の患者背景を世界平均と日本人で比較した結果を順天堂大学の河盛隆造氏らのグループが発表した。

 CREDIT(the Cardiovascular Risk Evaluation in people with Type 2 Diabetes mellitus on Insulin Therapy)試験は、血糖コントロールによる心血管イベントリスクへの影響を調べるために、40歳以上でインスリン治療を開始して1〜6カ月の2型糖尿病患者に対し、北米、欧州、アジアの13カ国、314施設で行われている。ベースラインのデータとしては、インスリン治療開始まで1年以内のものと、開始から1カ月後の症例が収集された。

 その結果、糖尿病罹病期間については、世界平均10.6年に対し日本では11.8年だった。以下、10年以上にわたり糖尿病である患者の割合は世界平均41.7%に対し日本では47.0%、HbA1c値が10%を超えている患者の割合は世界平均35.8%に対し日本では51.6%、空腹時血糖値は世界平均208.0mg/dLに対し日本では214.5mg/dL、食後血糖値は世界平均256.4mg/dLに対し日本では296.3mg/dLだった。

 インスリン治療のレジメンに関しては、基礎インスリン単独が世界平均51.6%に対し、日本では6.3%。速効型インスリン単独が世界平均7.3%に対し、日本では24.5%。混合型インスリン単独が世界平均23.1%に対し、日本では36.8%。基礎インスリンと速効型インスリンの併用が世界平均14.6%に対し、日本では26.2%。その他のレジメンが世界平均3.4%に対し、日本では5.3%だった。インスリンの1日当たりの使用量は、基礎インスリンのみで世界平均14.7IUに対し、日本では7.2IUだった。

 経口血糖降下薬の併用については、ビグアナイド薬が世界平均71.2%に対し、日本では29.0%。α-グルコシダーゼ阻害薬が世界平均11.9%に対し、日本では34.6%だった。

 大血管の疾患を持つ割合は、世界平均34.1%に対し、日本では25.1%。心血管系疾患の家族歴は世界平均25.9%に対し、日本では11.5%。高血圧を有する割合は、世界平均68.7%に対し、日本では47.6%。腎不全の割合は、世界平均37.9%に対し、日本では15.3%となっていた。

 これらの結果から河盛氏らのグループは、「日本人患者は世界平均よりも血糖コントロールが悪く、基礎インスリンをあまり使用しておらず、インスリン使用量も少ない。CREDIT試験の進行によって、日本人患者にとって適正なレジメンに変更することが、よりよい血糖コントロールにつながるかどうか、興味を持っている」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)