愛知県がんセンター中央病院胸部外科の光冨徹哉氏

 術前に化学療法と放射線療法を行うことにより、化学療法単独よりも、無病生存期間および生存期間を延長できる可能性が示された。リンパ節転移のある非小細胞肺癌を対象に行われた日本のフェーズ3試験(WJTOG9903)で明らかになった。愛知県がんセンター中央病院胸部外科の光冨徹哉氏(写真)らが、7月31日から8月4日までサンフランシスコで開催された第13回世界肺癌学会で発表した。

 試験は、術前にステージ3Aで縦隔リンパ節転移(N2)のある非小細胞肺癌を対象に、ドセタキセル(60mg/m2)とカルボプラチン(AUC=5)による化学療法2サイクルに加え、放射線療法を行う群(CRS群)と化学療法のみ行う群(CS群)を比較した。当初試験は180人を登録する予定であったが、最終的に60人が登録された。

 主要評価項目である全生存は、3年生存率がCS群で39.3%、CRS群で51.7%、生存期間はそれぞれ29.9カ月、39.6カ月と、CRS群の方が長かったが、ハザード比は0.77(95%信頼区間0.42-1.41)、p値は0.397と統計的な有意差はなかった。

 無病生存期間はCS群で9.7カ月、CRS群で12.4カ月、ハザード比は0.68(95%信頼区間0.38-1.21、p=0.187)、3年無病生存率はそれぞれ17.9%、34.5%だった。抗腫瘍効果は部分奏効(PR)が両群ともに7人で、奏効率はいずれも25%(同10.7-44.9)、不変(NC)が両群とも68%だった。再発率はCS群に比べてCRS群で低く、down stageした患者はCS群で20.8%だったのに対し、CRS群では40%に認められた。

 主なグレード3/4の血液毒性は、白血球減少がCS群で46%、CRS群で93%、好中球減少がそれぞれ75%、89%、血小板減少が0%、7%で、両群とも忍容性が認められたとした。また周術期の死亡はなかった。