Sarah Canon Research InstituteのSpigel David R.氏

 化学療法既治療の進行非小細胞肺癌NSCLC)に対して、マルチキナーゼ阻害剤であるソラフェニブ上皮成長因子受容体EGFRチロシンキナーゼ阻害剤エルロチニブの併用が有用である可能性が示された。プラセボを設定した二重盲検フェーズ2臨床試験の結果、明らかになった。成果は、7月31日からサンフランシスコで開催されていた世界肺癌学会で、米Sarah Canon Research InstituteのSpigel David R.氏(写真)によって発表された。

 フェーズ2試験の対象となったのは1回か2回の化学療法を受けたことのある3B期と4期のNSCLC患者。

 患者は無作為にエルロチニブ150mgを1日1回、ソラフェニブ400mgを1日2回連日経口投与する群(112人)とエルロチニブ150mgを1日1回、プラセボを1日2回連日経口投与する群(56人)に割り付けられた。両群の患者背景には、特に大きな差はなかった。主要評価項目は奏効率と無増悪生存期間だった。

 奏効率はエルロチニブ-ソラフェニブ群が5%(95%信頼区間2-11)、エルロチニブ-プラセボ群が4%(95%信頼区間0.4-13)で有意な差はなかった。しかし、安定状態(SD)を加えた病勢制御率は、エルロチニブ-ソラフェニブ群が37%(95%信頼区間28-47)、エルロチニブ-プラセボ群が18%(95%信頼区間10-29)となりp=0.01で有意にエルロチニブ-ソラフェニブ群の方が良かった。無増悪生存期間中央値はエルロチニブ-ソラフェニブ群が3.06カ月、エルロチニブ-プラセボ群が1.87カ月で、ハザード比0.75(95%信頼区間0.52-1.08)でエルロチニブ-ソラフェニブ群が長くなる傾向があった。全生存期間中央値はエルロチニブ-ソラフェニブ群が8.05カ月、エルロチニブ-プラセボ群が5.98カ月だった。

 一方副作用は両群で類似していたが、エルロチニブ-ソラフェニブ群でのみ高血圧が起きていた。高血圧はグレード1/2のものが6人、グレード3/4のものが4人だった。