国立がんセンター東病院の仁保誠治氏

 葉酸代謝拮抗剤であるペメトレキセドは日本人の非小細胞肺癌NSCLC)でも扁平上皮癌よりも非扁平上皮癌で効果が高いことが明らかになった。副作用は、組織型による差はなかった。日本で行われたフェーズ2試験の結果をレトロスペクティブに解析したもの。成果は、7月31日からサンフランシスコで開催された世界肺癌学会のポスター・ディスカッションで国立がんセンター東病院の仁保誠治氏(写真)によって発表された。

 わが国で行われたフェーズ2臨床試験は、化学療法既治療例の3B/4期の進行NSCLC患者を、500mg/m2を投与する群と1000mg/m2を投与する群に無作為に割り付けて行われた。どちらの群もペメトレキセドは21日サイクルの1日目に投与された。2004年10月から2006年3月まで28施設で244人の患者を登録。226人が無作為に割り付けられ、216人について効果の判定が可能だった。RECIST基準による全体の奏効率は、500mg/m2投与群が18.5%、1000mg/m2投与群が14.8%と同等だった。

 今回の発表は、フェーズ2試験の結果を組織型別に部分集団解析したもの。NSCLCのうち、扁平上皮癌と腺癌・大細胞癌などの非扁平上皮癌の組織型に分類して検討された。

 500mg/m2投与群と1000mg/m2投与群を合わせて組織別に分け、有効性を比較したところ、非扁平上皮癌患者(168人)は奏効率が20.8%、病態制御率が57.1%、生存期間中央値が16.0カ月、無増悪生存期間中央値が3.1カ月だったのに対して、扁平上皮癌患者(48人)は、奏効率が2.1%、病態制御率が29.2%、生存期間中央値が8.5カ月、無増悪生存期間中央値が1.6カ月と有意に非扁平上皮癌の方で効果が高いことが明らかとなった。500mg/m2投与群と1000mg/m2投与群を別々に組織型で分けても同様の傾向がみられた。一方、副作用は組織型による大きな差は認められなかった。

 これらの結果から演者らは、ペメトレキセドは日本人でも非小細胞肺がんの非扁平上皮癌患者で効果が高いことが示唆され、海外で行われた3つのフェーズ3試験であるファーストライン、セカンドライン、メインテナンスの部分集団解析結果と一致していたと結論付けた。