イタリアUniversity of Turin/San Luigi HospitalのGiorgio Scagliotti氏

 非小細胞肺癌(NSCLC)におけるペメトレキセドの延命効果は、扁平上皮癌以外の組織型の場合に高く、その効果はファーストライン治療、セカンドライン治療、維持治療のいずれでも同じだった。3つの大規模フェーズ3試験のデータを解析して、明らかになった。イタリアUniversity of Turin/San Luigi HospitalGiorgio Scagliotti氏(写真)らが、7月31日から8月4日までサンフランシスコで開催されている第13回世界肺癌学会で発表した。

 3つの大規模フェーズ3試験は以下のとおり。いずれも進行性非小細胞肺癌を対象に行われた。

 セカンドライン治療としてペメトレキセドとドセタキセルと比較した試験(571人)、ファーストライン治療としてシスプラチン+ペメトレキセドとシスプラチン+ゲムシタビンを比較した試験(1725人)、そして維持治療としてペメトレキセド+支持療法(BSC)とプラセボ+BSCを比較する試験(663人)。

 非小細胞肺癌は扁平上皮癌と腺癌、大細胞癌などの組織型に分かれ、日本では扁平上皮癌は男性で40%、女性で15%を占めると言われている。今回の3試験では扁平上皮癌は26.1%から32.3%、非扁平上皮癌が67.7%から73.9%を占めていた。

 非扁平上皮癌における生存期間のハザード比を求めたところ、セカンドライン治療の試験では、対照群に対するペメトレキセドのハザード比が0.78(95%信頼区間0.61-1.00、p=0.048)、ファーストライン治療でのハザード比は0.84(同0.74-0.96、p=0.011)、維持治療では0.70(同0.56-0.88、p=0.002)と、すべてペメトレキセドによる延命効果が示された。

 一方、扁平上皮癌では、セカンドライン治療ではハザード比が1.56(同1.08-2.26、p=0.018)、ファーストライン治療では1.23(同1.00-1.51、p=0.050)、維持治療では1.07(同0.77-1.50、p=0.678)であり、対照群の方が良い傾向を示した。

 さらに組織型による交互作用(treatment-by-histology interaction :THI)の分析も行った。上述のハザード比を使って、扁平上皮癌に対する非扁平上皮癌のハザード比を求め、このTHIハザード比が1未満の場合、対照群に対するペメトレキセド群のベネフィットが、扁平上皮癌に比べて非扁平上皮癌で大きいことを示すとした。

 その結果、セカンドライン治療ではTHIハザード比が0.48(同0.31-0.74、p=0.001)、ファーストライン治療では0.69(同0.54-0.87、p=0.002)だった。維持治療では性別や年齢などで補正したハザード比(非扁平上皮癌0.66、扁平上皮癌1.28)を用いたところ、THIハザード比は0.52(同0.31-0.86、p=0.033)となった。

 これらの結果から、非小細胞肺癌の患者とって、非扁平上皮癌でペメトレキセドの有効性が示され、さらにペメトレキセドによる治療効果はファーストライン、セカンドライン、維持治療といった治療法で一致していたと結論付けた。