国立がんセンター中央病院の久保田馨氏

 日本で行われた小細胞肺癌トポテカンシスプラチンを併用投与し、さらに顆粒球コロニー刺激因子G−CSF)を加えたフェーズ2試験で、良好な全生存期間が得られたことが明らかとなった。成果は、7月31日からサンフランシスコで開催されている世界肺癌学会で、国立がんセンター中央病院の久保田馨氏(写真)によって発表された。

 トポテカンとシスプラチンを併用投与する臨床試験は、まずフェーズ1試験が行われ、フェーズ2試験の推奨用量を決めた。投薬の1サイクルは21日間で、トポテカンは1日目から5日目まで連日投与するが、シスプラチン60mg/m2を1日目に投与する場合と5日目に投与する場合に分けて行った。G−CSFは、どちらも6日目から投与した。

 最初はシスプラチンを1日目に投与する既治療の患者に投与し、そこで決まった最大耐用量であるトポテカン0.65mg/m2で、未治療の患者を対象にシスプラチンを1日目に投与する群と5日目に投与する群で最大耐用量を出し、未治療の患者を対象にしたフェーズ2試験を行った。

 フェーズ1の結果、シスプラチンを1日目に投与する群の推奨用量は0.65mg/m2、シスプラチンを5日目に投与する群の推奨用量は1.00mg/m2となった。

 フェーズ2試験は、シスプラチンを1日目に投与する群と5日目に投与する群で、それぞれ15人ずつ登録された。その結果、どちらの群も奏効率は80%で同等だったが、血液毒性がより少なかったシスプラチンを5日目に投与する方法を最終的なフェーズ2試験の方法として、さらに14人追加して試験を行った。

 最終的なフェーズ2試験は29人で評価され、完全奏効(CR)が1人、部分奏効(PR)が23人で、奏効率は82.8%となり、全生存期間中央値は18.3カ月となった。

 久保田氏は「報告されている結果では、シスプラチンとエトポシドの併用で9カ月から10カ月、シプラチンとイリノテカンの併用で13カ月であることから、18カ月というのは良い結果だ」と評価した。ただし、既に海外で行われたフェーズ3試験の結果で、シスプラチンとエトポシドの併用を、シスプラチンとトポテカンの併用が有意に上回ることができなかったことが報告されており、今回の結果で、小細胞癌の治療がすぐに変わることはないという認識も示した。

 29人で行われた最終フェーズ2試験の主な副作用は、グレード3/4の毒性が白血球減少(13.8%)、好中球減少(48.2%)、血小板減少(41.4%)、貧血(58.6%)、AST上昇(6.9%)、倦怠感(3.4%)、体重減少(3.4%)だった。