国立がんセンター中央病院呼吸器内科の後藤悌氏

 抗インスリン様成長因子受容体(IGF-IR) に対する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体CP-751871は、パクリタキセルカルボプラチンとの併用投与で、未治療の進行性非小細胞肺癌患者において忍容性が認められることが、日本人を対象としたフェーズ1試験で明らかになった。また予備的評価ではあるが抗腫瘍効果も見られた。国立がんセンター中央病院呼吸器内科の後藤悌氏(写真)らが、7月31日からサンフランシスコで開催されている第13回世界肺癌学会で発表した。

 フェーズ1試験では、3週間置きに、CP-751871とカルボプラチン(AUC=6mg/mL×分)、パクリタキセル(200mg/m2)を第1日目に投与した。CP-751871の投与量は6mg/kgから10mg/kg、20mg/kgまで増量した。  

 6mg/kg群に6人、10mg/kg群に7人、20mg/kg群に6人の計19人が登録した。14人は腺癌、4人が扁平上皮癌だった。試験では血糖異常(HbA1c>7%、空腹時血糖>126mg/dL)の患者は除外した。

 2009年3月までに18人が1サイクルを完遂したが、10mg/kg群の1人がパクリタキセル関連の有害事象で試験を中断し、CP-751871の投与を行わなかった。各群のサイクル数の中央値はいずれも4サイクルだった。

 DLT(用量制限毒性)が6mg/kg群で1人に認められ、10mg/kg群では2人、20mg/kgでは1人も認められなかった。主なグレード3/4の非血液毒性は低ナトリウム血症(3人)、食欲不振(2人)、高尿酸血症(2人)で、血液毒性は好中球減少(16人)、血小板減少(4人)、白血球減少(3人)だった。CP-751871による低血糖もしく高血糖は見られなかった。

 抗腫瘍効果は、部分奏効が7人(39%)で、6mg/kg群では1人、10mg/kg群では3人、20mg/kgでは3人だった。また腺癌では14人中5人、扁平上皮癌では4人中2人で部分奏効が認められた。病勢安定は7人(39%)で見られた。

 これらの結果から演者らは、CP-751871はパクリタキセルとカルボプラチンとの併用で忍容性に優れ、20mg/kgまでの投与が可能であるとした。現在、非小細胞肺癌を対象にCP-751871の国際的なフェーズ3試験「ADVIGO (ADVancing IGF-1R in Oncology) 1016」が進行中であり、今回の忍容性結果を受け日本も参加する予定であるという。