大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科の田宮基裕氏

 腫瘍を選択的に破壊する低分子抗癌剤ASA404は、パクリタキセルカルボプラチンとの併用で、有望な結果が得られることが示された。日本人の非小細胞肺癌NSCLC)患者を対象にしたフェーズ1試験で明らかになった。副作用は海外で見られた毒性プロファイルと同様で、一部で抗腫瘍効果が確認された。成果は、7月31日からサンフランシスコで開催されている世界肺癌学会で、大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター肺腫瘍内科の田宮基裕氏(写真)によって発表された。

 今回の結果を受けて、日本も国際的なフェーズ3臨床試験であるATTRACT-1試験に参加している。

 フェーズ1試験は、4期の比較的全身状態の良い非小細胞肺癌患者を対象に、パクリタキセルとカルボプラチンの量をそれぞれ200mg/m2と6AUCに固定し、ASA404を600mg/m2投与する群(3人)、1200mg/m2投与する群(6人)、1800mg/m2投与する群(6人)に分けて行われた。薬剤の投与は、3週間置きに行われた。

 用量制限毒性は1200mg/m2投与群で1人(グレード3の発熱性好中球減少症)、1800mg/m2投与群で1人(グレード3のQT延長)に見られたが、投与には1800mg/m2でも患者は十分に耐えることができた。

 全用量を通して多く見られた副作用は、脱毛(14人)、接種部位痛(14人)、末梢感覚神経障害(14人)、好中球減少症(13人)、食欲不振(12人)、吐き気(12人)などだった。

 重篤な副作用は、1200mg/m2投与群で4人、1800mg/m2投与群で2人にそれぞれ見られた。

 一方、抗腫瘍効果は15人中4人で部分奏効(PR)が確認され、奏効率は27%だった。安定状態が7人で認められ、疾患制御率は74%となった。

 薬物動態は海外で行われた試験と同様だった。