近畿大学の中川和彦氏

 葉酸代謝拮抗剤ペメトレキセドとマルチキナーゼ阻害剤スニチニブの併用が、固形癌治療に有望である可能性が示された。日本で行われたフェーズ1臨床試験の結果、明らかになった。併用療法の安全性が確認され、1人の非小細胞性肺癌(NSCLC)患者で部分奏効(PR)が認められた。近畿大学の中川和彦氏(写真)が8月1日、サンフランシスコで開催されている世界肺癌学会のポスターセッションで発表した。

 フェーズ1臨床試験は、標準療法に難治性となった固形癌患者を対象に行われた。患者はスニチニブを1日当たり50mgを2週連続して投与し1週休薬する群と、スニチニブ37.5mgを連日投与する群に分けられ、どちらの群も21日を1サイクルとして1日目にペメトレキセド500mg/m2を投与した。投与は、疾患が増悪するか用量制限毒性が見られるまで行われた。

 全部で12人の患者(年齢中央値63歳、男性が10人)が登録され、それぞれの群に6人ずつが登録された。12人のうち9人がNSCLC患者だった。

 試験の結果、用量制限毒性の評価のための最初の投与サイクルを全患者とも完遂し、両群とも用量制限毒性は見られなかった。RECIST基準による評価が可能だった8人のうち、1人のNSCLC患者で部分奏効が認められ、腫瘍の内側に空洞形成が確認された。また5人の患者で安定状態が得られた。

 両群を合わせて多く見られた副作用は倦怠感(11人)、血小板減少(10人)、白血球減少(10人)、好中球減少(9人)、味覚障害(9人)などだった。グレード3以上の副作用は、非血液学的毒性は倦怠感(1人)、下痢(2人)、脱水症(1人)だけで、血液学的な毒性は、白血球減少(4人)、血小板減少(3人)、リンパ球減少(4人)、好中球減少(8人)で、いずれの毒性も管理可能なもので可逆的なものだった。スニチニブ2週投薬1週休薬群で2人、連続投与群で1人、グレード3の毒性のために減量を余儀なくされた。