大阪市立大学の山田賢太郎氏

 関節リウマチ(RA)患者の4人に1人が中等度以上の強い腰痛を有していること、RAの疾患活動性(DAS28-ESR)が腰痛のリスク因子の1つであることが日本人を対象とした研究で示された。画像所見は有意なリスク因子ではなかった。大阪市立大学の山田賢太郎氏らが、6月12日から15日にスペイン・マドリッドで開催された欧州リウマチ学会(EULAR2013)で報告した。

 山田氏らは、RA患者の脊髄障害の関連因子を前向きに検討することを目的としたAFFORD研究の初回受診時データに基づく横断研究として本研究を実施。頸部および腰部の疼痛、神経学的症状、X線画像、MRI画像を評価した。

 対象は、AFFORD研究の登録患者201例で、年齢は62.3歳、女性が83.1%、BMIは22.2kg/m2で、X線所見による骨破壊の進行を示すSteinbrocker分類は、ステージ1が21.8%、ステージ2が26.4%、ステージ3が33.8%、ステージ4が17.9%、DAS28-ESRは3.4、MHAQは0.45だった。

 直近4週以内で、Visual analog scale(VAS、0〜100mm)が50mm以上と中等度または重症の腰痛について検討した。本研究の対象者における有症率は23.9%(48例)だった。

 患者背景因子、RA関連因子、画像所見を説明変数とした多変量解析により、中等度以上の腰痛の有意な関連因子として、女性(オッズ比[OR]4.00、P=0.039)、喫煙習慣あり(OR 3.03、P=0.041)、DAS28-ESR 3.2〜5.1(OR 3.19、P=0.042)、DAS28-ESR>5.1(OR 6.97、P=0.002)が同定された。しかし、脊椎すべり症、脊椎骨折、脊柱前弯症、仙骨の傾き、椎間板といった画像所見は有意な関連因子ではなかった。

 さらに、中等度以上の腰痛あり群となし群で、DAS28-ESRの要素である圧痛関節数(TJC28)、腫脹関節数(SJC28)、患者全般評価(VAS-GH)、赤血球沈降速度(ESR)を比較したところ、中等度以上の腰痛あり群では、TJC28(6.6関節 対 3.0関節、P<0.001)とVAS-GH(高値ほど悪化、43.8 対 24.8、P<0.001)が有意に高かった。また、腰痛VASと疼痛VASには有意な正相関が認められた(r=0.313、P<0.001)。

 以上の結果から山田氏は、「RA患者の中等度以上の腰痛有病率は健康人よりも高く、腰痛の関連因子としては画像所見ではなく、DAS28-ESRが同定された」と結論した。

 画像所見ではなく、RAの疾患活動性が腰痛のリスク因子として同定されたことについて同氏は、「RAでは頸部や腰部にも病変が生じることが多い。X線所見ではRAの炎症によって生じた骨破壊は評価できても、現在の炎症を評価できないためではないか。また、本研究では、腰痛を有する患者で痛みに対する感受性が高いことが示された。それがDAS28-ESR値にも反映され、両者の関連性を高めた可能性がある」と推論した。