新潟県立リウマチセンターの阿部麻美氏

 関節リウマチ(RA)患者で膝や肩などの大関節に滑膜炎がある場合、小関節に比べて滑膜炎の重症度とMMP-3やCRPなどの血中マーカーが、より強く関連することが示された。新潟県立リウマチセンターの阿部麻美氏らが、6月12日から15日にマドリッドで開催された欧州リウマチ学会(EULAR2013)で報告した。

 阿部氏らは、2011年1月から2013年3月に滑膜除去などの関節手術を実施した177人の214関節を対象とした。関節の内訳は、大関節が肩2、肘31、膝31の計64。小関節が手首72、手指49、足首7、足指23だった。

 術前に関節超音波検査を実施して、Szkudlarekらが提唱したパワードップラーによる関節腔内血流のグレード(0?3;3が血流最大)を測定。グレード0とグレード1を軽度滑膜炎群(グループL:86関節)、グレード2とグレード3を高度滑膜炎群(グループH:128関節)として、RAの全身性の疾患活動性評価に用いられるDAS28、CRP、マトリクスメタロプロテナーゼ-3(MMP-3)との関連を調べた。

 その結果、大関節では、CRP値がグループHで1.53、グループLで0.23、MMP-3がグループHで249.54、グループLで126.80といずれも有意差を認めた(ともにP<0.0005)が、小関節では、CRPがグループHで1.03、グループLで0.81、MMP-3がグループHで135.49、グループLで109.46と、いずれも有意な差が見られなかった。

 DAS28については、大関節ではグループHが4.26、グループLが3.20、小関節ではそれぞれ4.08、3.52と、大関節の方が差は大きかったものの、どちらも両グループ間に有意な差があった(それぞれP<0.0005、P<0.007)。

 また、手術で摘出した滑膜検体から、リンパ球の拡散・浸潤、リンパ球巣状集合体の形成、滑膜細胞増殖など6項目を各0-10点、計60点で評価する病理学的な滑膜炎症評価(総Rooneyスコア)を算出して、超音波検査結果と対比したところ、大関節、小関節とも、グループHではグループLに比べて総Rooneyスコアが有意に高く、超音波検査は病理学的所見をよく反映していることが確認された。

 これらの結果について阿部氏は、「RA患者において、超音波検査による関節腔内血流のグレード評価は、全身の疾患活動性や病理学的な滑膜炎症所見を反映していた。血中マーカーと超音波による評価の関連は大関節の方が強かったが、これは、小関節は滑膜の容量が小さく、局所の炎症が全身には反映されにくいためと考えられる」とまとめた。