韓国Seoul National University HospitalのJi Ae Yang氏

 リウマチ性疾患(RD)が癌生存率にどのような影響を与えるかを調べた韓国のコホート研究で、RDのある癌患者の生存率はRDのない癌患者と有意差が見られず、胃癌においてはRDのある患者の方が生存率は良いなどの結果が示された。6月12日から15日にマドリッドで開催された欧州リウマチ学会(EULAR2013)で、韓国Seoul National University HospitalのJi Ae Yang氏らが発表した。

 対象は、RDのある癌患者(RD群、平均年齢65.1歳)159人と、RDのない癌患者(非RD群)477人(1:3でRD群と年齢、性、癌種をマッチングさせたコントロール群)。RD群159人のうち106人が関節リウマチで、癌の内訳は胃癌40人、結腸癌28人、肺癌47人、乳癌44人。

 RD群と非RD群の患者特性を比較すると、乳癌ではRD群の方が非RD群よりも全身状態が悪く、肺癌ではRD群の方が非RD群よりも併存疾患が多かった。また、全ての癌においてRD群は非RD群よりも早期(IA、IBステージ)の患者の割合が高かった。

 全癌生存率をカプランマイヤー曲線で比較すると、5年生存率(RD群90.5%、非RD群90.9%)、および10年生存率(RD群86.1%、非RD群84.8%)とも、2群間で有意差はなかった。

 部位別に癌生存率を比較すると、胃癌においては、非RD群と比較してRD群の方が有意に5年生存率(100%対91.8%)、および10年生存率(100%対82.3%、P=0.029)が高かった。肺癌、結腸癌、乳癌については、両群間で有意差はなかった。

 Yang氏は、「RD患者の癌生存率については議論が分かれるところだが、本研究ではRDのない患者と比べて有意差がないことが示された。胃癌については、RD患者の方が生存率は有意に高かったが、その理由については明らかではない。本研究結果を裏付けるには、さらなる追跡研究が必要であろう」と話した。