スウェーデンLund UniversityのCarl Turesson氏

 スウェーデンの一般住民を対象とした研究で、BMIが高値の男性は通常レベルの男性に比べ、関節リウマチ(RA)の発症リスクが約2割低いことが示された。一方、女性では、RA発症リスクとBMIの有意な関連を認めなかった。スウェーデンLund UniversityのCarl Turesson氏らが、6月12日から6月15日にマドリッドで開催された第14回欧州リウマチ学会(EULAR2013)で発表した。

 これまでに、肥満は女性のRA発症を増加させること、過体重はRAに進展するリスク因子であることが報告されてきた。今回Turesson氏らは、BMIと将来的なRAの発症リスクを男女別に検討した。

 対象は、スウェーデンMalmoにおける地域コホート調査研究であるMalmo予防医学プログラムに、1974年から1992年の間に登録された住民3万3346人(うち男性2万2444人)とした。自記式アンケートによって喫煙などのライフスタイルに関する情報を収集。RA登録データベースと医療記録から、フォローアップ期間内にRAを発症した住民をRA発症群とした。

 一方、RA発症群の個々の患者と性別、誕生年、スクリーニングを受けた年が一致し、かつRA群がRAの診断を受けた時に存命でRA非罹患の住民を元の住民コホートから選び、対照群とした。

 RA群男性(151例)の患者背景は、年齢45.5歳、BMI 24.3kg/m2、現在喫煙率60%、ブルーカラー労働率52%。その対照群(604例)は、年齢45.5歳、BMI 25.0kg/m2、現在喫煙率48%、ブルーカラー労働率44%だった。

 また、RA群女性(139例)は年齢49.3歳、BMI 24.3kg/m2、現在喫煙率46%、ブルーカラー労働率48%。その対照群(556例)は、年齢49.3歳、BMI 24.3kg/m 2、現在喫煙率35%、ブルーカラー労働率41%だった。

 これまでの研究で、喫煙とブルーカラー労働者であることはRA発症の予測因子であることが示されている。今回、詳細は示していないが、本コホートでも喫煙は男女共にBMIの低下と有意に関連しており、また、女性のブルーカラー労働者では有意にBMIが高かった。

 RA発症に対するBMIの影響を、標準偏差当たりのオッズ比で算出したところ、男性では0.72(95%信頼区間0.58-0.89)と有意にリスクが低くなっていた。喫煙で調整した場合0.74(同0.60-0.92)、職種(ブルーカラーとホワイトカラー)で調整した場合も0.78(同0.61-0.99)と有意に低かった。一方、女性では、いずれの調整でも有意な影響は認められなかった。

 次に男性についてBMIを四分位し、BMIとRA発症の関連を検討した。第1四分位は16.5-22.7kg/m2、第2は22.7-24.7kg/m2、第3は24.7-26.8kg/m2、第4は26.8-49.4kg/m2であり、第2四分位を基準としたときのRA発症のオッズ比(喫煙で調整)は、最もBMIが高値である第4四分位が有意に低かった。

 これらの結果からTuresson氏は、「女性のRA進展にBMIは有意に関連しないが、男性ではBMI高値でRA発症リスクが低減した」と結論し、「性による環境因子や生活習慣の違いが、RA発症に対するBMIの影響を修飾するのではないか」と考察した。