英国University of OxfordのKirsten Leyland氏

 スペイン・カタルーニャ地方の変形性膝関節症患者コホート(KOA)を用いて追跡研究を行った結果、肥満度が高いほど人工膝関節全置換術(TKA)へ進展するリスクが高く、軽度肥満(BMI25以上30未満)群でも、BMI正常群に比較してTKA実施リスクが40%高いことなどが示された。6月12日から15日までマドリッドで開催された欧州リウマチ学会(EULAR2013)で、英国University of OxfordのKirsten Leyland氏らが発表した。

 対象は、2006〜2011年にKOAと診断された10万5189人。2011年まで追跡(中央値2.6年)した結果、7512人(7.1%)がTKAを実施した。

 患者をBMI正常群(BMI<25)、軽度肥満群(25以上30未満)、肥満1群(30以上35未満)、肥満2群(35以上40未満)、肥満3群(40以上)に分類し、これらとTKA実施リスクとの関連を検討するため、重回帰分析を行った(性、年齢、喫煙、アルコール摂取、Charlson併存疾患指数、変形性股関節症、多発性関節炎、社会・経済的地位で補正)。

 その結果、正常群に対する軽度肥満群のTKA実施のハザード比(HR)は、1.41(95%信頼区間〔CI〕1.27-1.57)で、同様に肥満1群1.97(95%CI 1.78-2.18)、肥満2群2.39(95%CI 2.15-2.67)、肥満3群2.67(95%CI 2.34-3.04)と、肥満度が高くなるにつれてハザード比は上昇した。

 同様の分析を、若年群(68歳未満)と高齢群(68歳以上)に分けて実施したところ、若年群では上記の傾向がより強く見られ、軽度肥満群のHRは1.64(95%CI 1.34-2.03)、肥満1群2.71(95%CI 2.21-3.32)、肥満2群3.61(95%CI 2.92-4.45)、肥満3群4.17(95%CI 3.33-5.23)となった。一方、高齢群ではハザード比の上昇は見られず、軽度肥満群のHRは1.18(95%CI 1.04-1.33)、肥満1群1.14(95%CI 1.10-1.18)、肥満2群1.08(95%CI 1.05-1.11)、肥満3群1.05(95%CI 1.02-1.09)だった。

 これらの結果から、Leyland氏は、「68歳以下の変形性膝関節症患者においては、肥満はTKA実施のリスク因子であり、TKAを回避するために減量対策は重要」と考察した。