英国University of ManchesterのWilliam Dixon氏

 関節リウマチ(RA)に対する経口ステロイド(糖質コルチコイド)は、2型糖尿病発症リスクを用量依存的に高めることが示された。英国University of ManchesterのWilliam Dixon氏らが、6月12日から6月15日までマドリッドで開催されている第14回欧州リウマチ学会(EULAR2013)で報告した。

 ステロイド投与はRA治療に効果的だ。副作用はよく知られているが、2型糖尿病の発症リスク、特にステロイドの用量と発症の関連は未だ解明されていない。そこでDixon氏らは、経口ステロイドで治療中のRA患者における2型糖尿病発症リスク、および投与量との関連をレトロスペクティブに検討した。

 対象は、英国の一般診療研究データベース(GPRD)に登録されたRA患者のうち、16歳以上で糖尿病の既往がなく、RA発症前の記録が3年以上あるなどの条件を満たした2万3736例(女性70%、年齢中央値59歳)。この対象を14万5496人年追跡した。経口ステロイドの投与量は処方箋から判断した。

 追跡期間中に2462例が2型糖尿病を発症した(発症率:16.9/1000人年。内訳は、ステロイド非投与群(2万407例)が1294例(発症率14.0/1000人年)、ステロイド投与群(1万981例)が1168例(同21.9/1000人年)だった。

 ステロイド非投与群に対する投与群の2型糖尿病発症のハザード比は1.53(95%信頼区間 1.41-1.66)と投与群でリスクが有意に高かった。年齢、性別、喫煙、BMIなどの交絡因子で調整しても、ハザード比は1.38(同1.27-1.51)と有意差を認めた。

 また、調査時点のステロイド投与量が5mg増えるごとの調整ハザード比は1.14(同1.11-1.17)だった。フォローアップ期間中の平均ステロイド投与量が5mg増加するごとの調整ハザード比は1.32(同1.26-1.39)で、いずれも投与量が増えると有意にリスクが高まった。

 これらの結果からDixon氏は、「経口ステロイド療法は、RA患者の2型糖尿病発症において、重要かつ用量依存的なリスク因子だ」と結論し、今後の課題として、ステロイド療法を受けている患者に対する糖尿病スクリーニングの有用性の検討などを挙げた。