米国Mayo Clinic College of MedicineのElena Myasoedova氏

 関節リウマチ(RA)患者と非RA患者で外来受診ごとの血圧変動性(visit to visit BP variability、VVBV)を比較すると、RA患者では変動性がより大きく、しかもRA患者においては、CV発症率や総死亡率とVVBVとの間に有意な関連が示された。後ろ向きコホート研究の結果で、6月12日から15日までマドリッドで開催されている欧州リウマチ学会(EULAR2013)で、米国Mayo Clinic College of MedicineのElena Myasoedova氏らが発表した。

 一般に、血圧変動が大きいほど心血管(CV)イベントのリスクが高まるとされているが、RA患者における外来受診ごとの血圧変動性の影響について検討した報告は少ない。

 今回のMyasoedova氏らの研究では、1980〜2007年に米国リウマチ学会(ACR)1987年診断基準でRAと診断されたRA群452人(55.5歳、男性31%)と、RA群と性・年齢構成を一致させた非RA群436人を対象とした。

 フォローアップ期間はRA群7.1年、非RA群7.2年。全血圧測定回数はRA群1万3470回、非RA群9476回で、患者1人当たりの測定回数は、それぞれ24.0回と16.5回だった。

 測定と測定の間隔は、中央値でRA群30日、非RA群27日だった。高血圧と診断されていた患者はRA群の方が高率だった(RA群67%、非RA群57%)が降圧剤の使用率に差はなかった。

 収縮期血圧は非RA群よりもRA群で有意に高かったが(131.2mmHg対128.2mmHg、P=0.018)、拡張期血圧については有意差が見られなかった。収縮期血圧のVVBVは、非RA群よりもRA群で有意に大きかったが(13.8mmHg対13.0mmHg、P=0.004)、拡張期血圧のVVBVについては差が見られなかった。

 RA群において、追跡期間中に発生したCVイベントは33件、死亡は57件だった。これらに対するVVBVの影響を調べるために、Cox modelを用いた重回帰分析を行ったところ(年齢、性、RAの診断年、収縮期および拡張期血圧、BMI、喫煙、糖尿病、脂質異常症、降圧剤で補正)、収縮期血圧のVVBVとCVイベント発症との間に有意な関連が見られた(VVBV 1mmHg増加当たりのハザード比〔HR〕1.15、95%信頼区間〔CI〕1.02-1.30)。同様に、拡張期のVVBVと総死亡率との間にも有意な関連が見られた(HR1.14、95%CI 1.03-1.27)。

 Myasoedova氏は、「本研究では、RA患者は非RA患者よりも収縮期血圧のVVBVが大きいことが示された。またRA患者においては、VVBVが大きいとCVイベントや総死亡が増えることが示された。さらに血圧変動性に関する研究を進めると同時に、血圧が不安定なRA患者においては十分にCV疾患リスクに注意する必要があるだろう」と語った。