オランダLeiden University Medical CenterのTom W. J. Huizinga氏

 メトトレキサート(MTX)に不応の中等症・重症関節リウマチ(RA)患者にトシリズマブ(TCZ)を投与すると、半数で寛解維持が達成できることが示された。また、投与中止後に再燃が認められても、TCZの再投与により疾患活動性を再び改善できることも分かった。オランダLeiden University Medical CenterのTom W. J. Huizinga氏らがACT-RAY試験のデータを検討した結果で、6月12日から15日にマドリッドで開催された欧州リウマチ学会(EULAR2013)で報告した。

 同試験の対象は、MTXの効果が不十分で生物学的製剤を使用しておらず、中等症から重症のRA(DAS28が4.4超)で、X線画像上に1つ以上のびらんが存在する患者533例の患者を、MTXとTCZを併用する群(アドオン群、277例)とMTXからTCZに切り替える群(スイッチ群、276例)に無作為に割り付けた。両群の患者背景は同等で、最終的に2年間(104週間)の試験を終了したのはそれぞれ80%(222例)、73%(201例)だった。

 今回は、寛解維持を達成した患者について検討した。52週以降に寛解持続(12週間隔の連続受診でDAS28<2.6を満たす)を達成し、TCZ投与を中止できた患者は約50%に達した。また、TCZ中止に至るまでの期間(中央値)は11カ月だった。

 次にTCZ中止可能と判定された割合を群別に見ると、アドオン群が88%(277例中243例)、スイッチ群が83%(276例中229例)で、有意差が認められた(P=0.0372)。そのうち実際に中止したのはそれぞれ53%(129例)、47%(107例)だった。TCZ中止に至るまでの期間(中央値)は、アドオン群が9カ月だったが、スイッチ群は半数に達せず算出できなかった。

 一方、TCZを中止した患者が再燃するまでの日数は90日(中央値)で、試験終了の2年後まで再燃することなくTCZの休薬(バイオフリー)が実現できた患者は14%だった。

 再燃が認められた患者の再燃時におけるDAS28の平均値は4.46だったが、TCZの投与を再開することにより、再燃後4週目には2.99に低下。さらに8週目には2.38に下がり、寛解の目安となる2.6以下となった。その後も、24週目まで2.6以下を常に維持していた。

 104週時におけるGenant-modified Sharpスコア(GSS)のベースラインからの平均変化量は、アドオン群が0.35、スイッチ群が0.95で、アドオン群で有意に低かった(P=0.03)。一方、GSSが2.1以下で非進展と判定された患者の割合はそれぞれ94%、91%と、有意差は認められなかった。

 一連の結果からHuizinga氏は、「2年間で、50%の患者がTCZの寛解中止を達成できた。投与中止後の再燃率は86%だったものの、TCZの再投与によりDAS28は速やかに改善することが分かった。また、TCZを一定期間中止しても、X線画像上の骨破壊の進展は最小限にとどまっていた」との見解を示した。