慶應義塾大学の竹内勤氏

 メトトレキサート(MTX)で効果不十分な日本人関節リウマチ(RA)患者において、24週後におけるDAS28-ESRによる寛解率は、MTXに抗IL-6受容体抗体薬トシリズマブを追加する方が、切り替えによりトシリズマブ単剤で治療するよりも有意に高かった。これは、多施設共同無作為化オープンラベル非劣性試験であるSURPRISE STUDYの結果で、慶應義塾大学の竹内勤氏らが6月12日から15日までスペインのマドリッドで開催されている欧州リウマチ学会(EULAR2013)で発表した。

 本試験の主な選択基準は、米国リウマチ学会(ACR)1987年基準でRAと診断、20歳以上75歳以下、登録前に少なくとも8週間にわたりMTXを週6mg以上投与、罹病期間は10年以下、疾患活動性を示すDAS28-ESRが3.2以上など。一方、除外されたのは、トシリズマブを含む生物学的製剤を過去に投与されていた患者をはじめ、機能障害度を示すSteinbrockerのクラス分類がIVの患者、トシリズマブ点滴静注前の12週間以内にレフルノミドを、同8週間以内にMTX以外の抗リウマチ薬を、同4週間以内にタクロリムスを投与されていた患者など。

 今回登録したのは233例で、MTXにトシリズマブを追加する群(アドオン群、118例)とMTXからトシリズマブに切り替える群(スイッチ群、115例)のいずれかに無作為に割り付けた。治療を受けなかった患者を除いたFull Analysis Set(FAS)はアドオン群が115例、スイッチ群が111例だった。これらからプロトコル違反を除外したPer Protocol Set(PPS)はそれぞれ109例、106例。最終的に24週間の治療を完了したのは101例、98例だった。なお、トシリズマブは8mg/kgを4週間隔で投与した。

 FASの患者背景は、年齢がアドオン群55.8歳、スイッチ群56.3歳、女性比率がそれぞれ87.0%、86.5%、罹病期間が3.6年、3.8年、1週当たりのMTX投与量が8.6mg、8.4mgだった。

 主要評価項目とした24週時におけるDAS28-ESRによる寛解率をPPSで解析したところ、アドオン群が71.6%、スイッチ群が58.5%で、その差は13.1%(95%信頼区間[CI]:−0.4〜26.1)で、スイッチ群に対するアドオン群の非劣性が示された(非劣性マージンは−10%)。

 さらにFASで優越性解析を行ったところ、それぞれ72.2%、56.8%、差は15.4%(95%CI:2.4〜28.2、P=0.0181)であり、スイッチ群に対し、アドオン群は有意に寛解率が高かった。

 DAS28-ESRの経時変化は試験開始時、アドオン群が5.1±1.1、スイッチ群が5.3±1.2だったが、ともに減少し、24週後にはそれぞれ2.11±1.23、2.42±1.15となった。

 寛解達成率をCDAI基準で見ると、アドオン群が38.3%、スイッチ群が27.0%、SDAI基準ではそれぞれ41.7%、30.6%、ACR/EULAR新寛解基準ではそれぞれ20.9%、20.7%で、いずれも有意な違いはなかった。

 安全性に関しては、全有害事象がアドオン群は108件、スイッチ群は59件だったが、重篤な有害事象はそれぞれ10件、11件であり、死亡はいずれの群でもなかった。有害事象の内訳を見ると、口内炎が順に19件、7件、肝機能異常が11件、3件、鼻咽頭炎が7件、3件、上気道炎症が6件、3件などだった。

 これらの結果を踏まえ竹内氏は、「MTXでは治療効果が不十分な日本人RA患者において、トシリズマブは追加投与、切り替え投与のいずれでも、24週時のDAS28-ESR寛解率は高かったが、追加投与の方が有意に高率だった。CDAIやSDAIによる寛解率では、有意差はなかったものの、いずれも追加投与で高い傾向にあった。また、安全性プロファイルは過去の試験結果と一致しており、2群間に有意な差は認められなかった」とまとめた。