ドイツCharite-UniversitatsmedizinのGerd R. Burmester氏

 抗IL-6受容体抗体薬トシリズマブ(TCZ)は単独投与でもメトトレキサート(MTX)との併用でも、MTXによる治療を受けたことがない発症早期の関節リウマチ(RA)患者の疾患活動性関節破壊をMTX単剤療法より改善することが示された。ドイツCharite-UniversitatsmedizinのGerd R. Burmester氏らがFUNCTION試験の結果として、6月12日から15日までスペインのマドリッドで開催されている欧州リウマチ学会(EULAR2013)で発表した。

 対象は、MTXによる治療歴がなく、罹病期間が2年以内の成人RA患者。このほかの選択基準は、DAS 28が3.2超、赤血球沈降速度(ESR)が28 mm/時以上あるいはCRPが1mg/dL以上、リウマトイド因子(RF)か抗CCP抗体が陽性あるいは1関節以上のびらんありなど。これらの条件を満たした患者1162例を、プラセボとMTXを投与する群(MTX群、289例)、TCZ 8mg/kgとMTXを併用する群(TCZ 8+MTX群、291例)、TCZ 8mg/kgとプラセボを投与する群(TCZ 8群、292例)、TCZ 4mg/kgとMTXを併用する群(TCZ 4+MTX群、290例)の4群に1:1:1:1で無作為に割り付けた。

 TCZとプラセボについては4週間隔で点滴静注し、MTXについては3週までは7.5mg/週、4〜7週は15mg/週、8週以降は20mg/週を投与した。なお、MTX群とTCZ 4+MTX群では、52週時におけるDAS 28が3.2以上であれば、TCZ 8mg/kgとMTXの併用に変更した。また、経口ステロイド薬の投与(プレドニゾロン換算で10mg/日以下)は認めた。

 割り付けた患者のうち、治療を受けなかった患者を除いたMTX群287例、TCZ 8+MTX 群290例、TCZ 8群292例、TCZ 4+MTX群288例の計1157例がITT解析の対象となった。各群の患者背景は、年齢が49.5〜51.2歳、女性比率が75〜80%、白人比率が76〜79%であり、罹病期間は平均で0.4〜0.5年、中央値で0.2〜0.3年、抗リウマチ薬(DMARD)未使用率は76〜82%、ステロイド薬使用率は33〜40%。治療継続率は24週時点が9割弱、52週時点が8割前後だった。

 主要評価項目に設定した24週時におけるDAS28-ESRによる寛解率は、TCZ 8+MTX 群が45%、TCZ 8群が39%、TCZ 4+MTX群が32%で、いずれの群もMTX群の15%に比べて有意に高かった(すべてP<0.0001)。また52週時における寛解率は順に49%、39%、34%で、3群ともMTX群の20%に対し有意に高かった(すべてP<0.0001)。

 副次評価項目であるACR20/50/70達成率は、MTX群が24週時だと65/43/25%で、他の3群はいずれについてもMTX群より高く、なかでもTCZ 8+MTX 群は75/57/39%と、どの達成率も有意に高かった(順にP<0.05、P<0.001、P<0.001)。また、52週時だとMTX群は57/41/29%で、他の3群は同様にいずれにおいてもMTX群より高く、TCZ 8+MTX 群は67/56/43%と、すべて有意に高かった(順にP<0.05、P<0.001、P<0.001)。

 52週時の関節の構造的損傷を、VdH mTSS(van der Heijde修正の総Sharpスコア)のベースラインからの変化で評価したところ、TCZ 8+MTX 群が0.08、TCZ 8群が0.26、TCZ 4+MTX群が0.42で、MTX群の1.14に対し、いずれも有意に抑制していた(それぞれP<0.001、P<0.05、P<0.05)。

 有害事象に関してはデータが得られた1153例を対象に解析したところ、感染症、悪性腫瘍、脳心血管疾患などの発現率は4群間に有意差はなく、重症例のみの比較でも有意差は認められなかった。

 以上からBurmester氏は、「TCZはMTX未使用の発症早期RA患者の疾患活動性および関節破壊を抑制し、特にTCZ 8mgとMTXの併用療法で効果が高かった。また、今回の対象患者におけるTCZの安全性プロファイルは、既知のものと一致していた」と結論した。