オランダTwente UniversityのInger Meek氏

 関節リウマチ(RA)患者では、心血管疾患の罹患率や死亡率が増加することが知られているが、積極的なRA治療を行うと、RAよりも心血管疾患が少ないとされる変形性関節症(OA)と同程度になることが示された。ただし、心血管疾患のリスク因子はRAとOAで異なることが示唆された。オランダTwente UniversityのInger Meek氏らが、6月12日にマドリッドで開幕した欧州リウマチ学会(EULAR2013)で発表した。

 RA患者では、血管内皮細胞の活性化と慢性炎症によってアテローム性の不安定プラークが形成され、古典的な心血管リスク因子が増加する。

 しかし近年、Treat to Target(T2T)と呼ばれる積極的治療戦略が導入されてからは、RA患者の炎症レベルが低下し、多くの患者で持続的寛解を達成できるようになった。そこでMeek氏らは、OA患者と積極治療中のRA患者の心血管リスクを比較した。

 対象は、2009年2月から2011年11月にTwente Universityの関節炎センターに通院していたOA患者206例(OA群;59.2歳、男性20.9%)と、厳格な治療管理レジメンを実施しているRA患者480例(RA群;59.0歳、男性27.7%)とした。RA患者の疾患活動性(DAS28)は2.5と低く、寛解率は72.1%だった。

 これらの患者を追跡し、イベントと心血管リスク因子の関連を前向きに解析した。主要な心血管イベントは、心筋梗塞、急性冠症候群、経皮的冠動脈形成術(PCI)の実施、急性心不全、脳血管イベント、心血管死と定義した。心血管疾患の既往例は除外し、最初の心血管イベント発生か2012年12月まで追跡した。

 追跡期間(中央値36カ月)中、46件のイベントが発生した。内訳はRA群が29件、OA群が17件で有意差はなかった。RA群においては年齢、収縮期血圧、骨びらんの存在が、OA群においては年齢と現在喫煙が、心血管イベントの有意なリスク因子となっていた。

 これらの結果からMeek氏は、「積極治療中のRA患者の心血管イベント発生リスクは、OA患者と同程度だった」と結論し、「リウマチ性疾患における心血管イベントのリスク因子は、疾患によって異なる可能性がある」と考察した。