英国NHS Fite、Fite rheumatic disease unitのHelen Harris氏

 喫煙が肺癌や心疾患などのリスク因子であることは広く知られているが、喫煙が関節リウマチ(RA)発症に与える悪影響について、患者にはあまり認知されていない。6月12日にマドリッドで開幕した欧州リウマチ学会(EULAR2013)で、英国NHS Fite、Fite rheumatic disease unitのHelen Harris氏らは、320人のRA患者を対象に、2011年9月に実施されたスコットランドのRAと喫煙の啓発キャンペーンの成果を紹介。RA患者を禁煙させるためには、RAと喫煙の関連についての啓発と助言が重要であることなどを訴えた。

 近年の研究報告などに基づき、同キャンペーンの啓発メッセージは以下の5つとした。
(1)喫煙はRAの発症リスクを50%高める。
(2)重度の喫煙はRAの発症リスクを100%高める。
(3)喫煙はRAの治療効果を減少させる。
(4)RAは非喫煙者よりも喫煙者において、より重症になる。
(5)禁煙はRAに対してあなたが成し得る最善のことの1つである。

 320人の平均年齢は63歳、女性73%。喫煙状況の内訳は、喫煙者が20%、過去に喫煙者だった人が48%、喫煙歴のない非喫煙者が32%だった。喫煙者は非喫煙者よりも処方されている抗リウマチ薬(DMARDs)の数が多く(4剤使用は非喫煙者0%、喫煙者49%)、生物学的製剤の使用も多かった(非喫煙者18%、喫煙者31%)。

 「RAと喫煙との関連について知っているか」との問いに「はい」と答えた人の割合は、キャンペーン実施前には5%だったが、キャンペーン実施3〜12カ月後には27%に上昇した。「RAの治療効果に対する喫煙の影響について知っているか」との問いについても、同様に4%から49%へ上昇した。

 また、1日の喫煙本数が20本を超えるヘビースモーカーは17%から7%へ減少し、喫煙しようと考えている人は54%から68%へ増加した。

 Harris氏は、RA治療チームが実施すべきこととして、リーフレットやポスターなどによるRAと喫煙の関連についての啓発、禁煙の薬物療法、禁煙チームへの紹介などのほか、「止めてみませんか」という簡潔な助言が非常に有効である点を強調した。さらに、2006年のスコットランドの禁煙法施行の成果などにも触れ、タバコに対する国を挙げての政策の重要性にも触れた。