近年、関節リウマチRA)の治療成績は大きく向上したが、Boolean基準による寛解の達成は容易ではない。しかし、インフリキシマブ(IFX)治療により、このハードルを越えることができた患者では、その後、IFX休薬(バイオフリー)を達成できる可能性が高いことが示された。6月6日から9日にベルリンで開催された欧州リウマチ学会(EULAR2012)で、東京女子医科大学神戸克明氏らが報告した。

 神戸氏らの施設では従来から、バイオフリーを試みるための基準として、「CRP、MMP-3、圧痛関節、腫脹関節がすべて陰性の状態が6カ月以上持続」という条件を設けているという。同氏らは新寛解基準がバイオフリーとどのような関係にあるかを明らかにするため、IFX治療が行われた212例について、IFX中止後の寛解維持(バイオフリー)、さらにはMTXも中止する「ドラッグフリー」を達成した症例の解析を行った。212例のうち34例(16.0%)がバイオフリーを実現でき、さらにこのうち11例(全体の5.2%)ではドラッグフリーを実現できた。

 一方、IFX治療開始後52週時点における臨床的寛解の導入状況を評価した結果、32例(15.1%)がBoolean基準で寛解と判定されていた。これらの52週時Boolean寛解例は、全例がその後バイオフリーを達成しており、Boolean寛解とバイオフリーの達成には有意な相関が認められた(P<0.001)。

 なお、ドラッグフリー達成症例の平均年齢は55.7歳、平均罹病期間は57カ月、ドラッグフリー寛解達成後の平均追跡期間は30.6カ月であった。ドラッグフリー達成症例のうち、9例は追跡期間中ドラッグフリーを維持していた。他の2例については、疾患活動性の再燃をみたためMTX投与が再開されたものの、以降は再び疾患活動性が抑制され、バイオフリーは維持できていたという。

 以上の結果より、Boolean基準による寛解は臨床的寛解の指標であるだけでなく、IFX休薬(バイオフリー)の可能性を高い精度で予見できる有用な予測因子であると考えられた。

(日経メディカル別冊編集)