ドイツRheumazentrum RuhrgebietのFrank Heldmann氏

 強直性脊椎炎AS)に対するインフリキシマブIFX)治療が世界で最も早く承認された欧州から、同薬を使用した7年超の長期追跡結果が報告された。71例での検討で、66%の患者が低疾患活動性を維持し、IFX使用と関連する重篤な感染症や死亡はみられなかったという。EASIC EXT試験の成績で、ドイツRheumazentrum RuhrgebietのFrank Heldmann氏らが、6月6日から9日にベルリンで開催された欧州リウマチ学会(EULAR2012)で発表した。

 ASSERT試験は、IFXを初めて投与されたAS患者(279例)を2年間にわたって追跡した臨床試験だが、その後ASSERT試験完遂者を対象とした追跡試験であるEASIC試験、さらにその完遂者を対象としたEASIC EXT試験(71例)と、継続して追跡が行われた。ASSERT試験終了からEASIC試験開始までには平均1.3±0.9年のブランクがあり、その期間を含め、7年以上にわたるIFX治療の有効性と安全性が評価された。

 EASIC EXT試験(71例)の試験完遂者は64例(90.1%)だった。試験期間中に脱落した7例のうち、医学的な理由による脱落は3例(効果不十分、感染症、基底細胞癌各1例)であり、他は患者の意思に基づく治療中止や追跡不能による脱落であった。

 完遂者64例における最終評価時のBASDAI(ASの疾患活動性評価指標)は平均2.4±1.7であり、64例中42例(65.6%)がBASDAI<3の“低疾患活動性”を維持していた。また、最終評価時のCRP(61例)は平均0.49±0.59mg/dLとなっており、81%の症例ではASに特徴的な所見である腱付着部炎を認めなかった。最終評価時のBASFI(ASの身体機能評価指標)は平均3.1±2であった。

 一方、有害事象は71例中63例(88.7%)に計476件の発現を認めた。有害事象のうちの約3分の1が感染症であり、その7割は呼吸器感染症だった。投与時反応を5例(5件)に認めたものの、いずれも軽微なものであり、うち3例はIFX治療を継続して試験を完遂したという。

 重篤な有害事象の発現は13件で、そのうちIFXとの関連が否定できなかった有害事象は、基底細胞癌1例とメラノーマ1例の2例のみであった。この2例という例数は過去の臨床試験やレジストリーの結果と同水準と考えられるという。

 以上の結果より、ASに対するIFX治療の効果と安全性は、治療開始から7年以上経過した後も維持されており、リスク・ベネフィット評価は良好と結論された。

(日経メディカル別冊編集)