英Royal Devon and Exeter HospitalのD. J. Murphy氏

 一般診療における炎症性脊椎痛IBP)の有病率は、11%であることが示された。英Royal Devon & Exeter HospitalのD. J. Murphy氏らの検討で明らかになったもので、成果は6月9日までベルリンで開催されていた欧州リウマチ学会(EULAR2012)で発表された。

 強直性脊椎炎(AS)のような血清反応陰性脊椎関節炎は誤診されたり、診断が遅れたりすることが目立つという。早期に診断して治療を行えば患者の症状を改善でき、また恒久的な機能障害が生じる可能性を低下させることから、診断の手助けとなる基準が求められている。しかし、診断の鍵となる炎症性脊椎痛を、専門外の医師が把握するのは困難を伴うことだという。このため演者らは、専門外の医師でも診断できる基準づくりの第一歩として、英の一般診療における炎症性脊椎痛の有病率を調べることにした。

 対象は2011年の6カ月間に脊椎痛を訴えて一般医を受診した18歳から40歳の患者すべてで、英の2つの医療機関で、ASAS軸性脊椎関節炎分類基準を用いて鑑別を行った。この2つの医療機関は2万6500人の患者を受けもつ専門機関だった。基準の質問に対し4つ以上が陽性であった患者をIBPに罹患していると定義し、IBPと診断された患者は地域のリウマチ専門医が詳しく診察した。

 その結果、6カ月の試験期間中、脊椎痛を訴えて一般医を受診したのは55人だった。患者はすべて白人だった。そのうち6人(11%)がASAS基準によりIBPに罹患していると判断された。そのうち5人(83%)は男性、1人(17%)は女性だった。これらの患者の50%は、その後、血清反応陰性脊椎関節炎であると診断された。

 演者らによると、一般診療において診断される炎症性脊椎痛の頻度がどのくらいかはほとんど知られておらず、有病率については15%と推計している1研究があるのみという。今回の結果である11%は、先行研究の結果とかけ離れたものではなかった。ただ、試験のサンプルサイズが小さいことから、演者らは「一般医を受診した患者における炎症性脊椎痛の有病率の信頼性を高めるためには、さらに研究が必要である」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)