シンガポールのDepartment of Medicine National University Health System のM.Lahiri氏

 喫煙アルコール摂取出産歴や授乳期間など、簡単なライフスタイル要因のチェックを行うことで、炎症性多発性関節炎IP)のリスク評価が可能であることが、EPIC-Norfolk(Europian Prospective Investigation of Cancer in Norfolk)コホートを用いた研究で示された。6月9日までベルリンで開催されていた欧州リウマチ学会(EULAR2012)で、シンガポールのDepartment of Medicine National University Health System のM.Lahiri氏らが発表した。

 対象は、同コホートに参加している2万5455人(40〜79歳)。14.2年(中央値)の追跡期間に、184人がIPを発症した(女性69.6%)。IPの10年累積発症率は男性0.37%、女性0.67%だった。

 COX比例ハザードモデルで解析を行い、β回帰係数をもとにスコア化を行った(スコアがマイナスの場合、発症予防的因子)。その結果、男性では、喫煙量が多いほどプラススコアで(10箱毎/年で+1〜+4)、そのほか肥満(BMI≧30)が+2、糖尿病が+4だった。

 一方、アルコール摂取は多いほどマイナス(1日3単以上で−3)となったほか、地位の高い職業は−4だった。

 女性は喫煙については、喫煙の有無で「あり」の場合に+2で、出産歴2回以上も+4だった。一方、授乳期間は6カ月ごとに長いほどスコアはマイナスとなり、2年以上で−4だった。

 女性の対象者(1万3900人)のうちの8.4%(1159人)は10年発症率が2%以上で、スコア0の場合の10年発症率(0.67%)の3倍以上に相当した。

 M.Lahiri氏は、「本研究で、簡単なライフスタイルのチェックでIPの発症リスクの評価が可能であることが分かった。IPのハイリスク者のスクリーニングや予防対策などで有用だと考えられる」と語った。

(日経メディカル別冊編集)