米Washington大学のPhilip J. Mease氏

 乾癬性関節炎に対し、セルトリズマブ・ペゴールを投与することで、リウマチ症状が改善すると同時に皮膚症状や身体機能障害も大幅に緩和することが明らかになった。米Washington大学Philip J. Mease氏らが行った400人超を対象にした第III相治験であるRAPID-PSA試験の成果で、6月9日までベルリンで開催されていた欧州リウマチ学会(EULAR2012)で報告された。

 Mease氏は、「乾癬性関節炎の皮膚症状の患者に与える影響は大きく、そのことが原因で自殺に追い込まれる事例も少なくない」と指摘。「今回、セルトリズマブ・ペゴールによって、リウマチ症状の改善だけでなく皮膚症状の改善も確認できたことは、非常に重要だ」と語った。

 同研究グループは、1種以上の抗リウマチ薬に抵抗性を示した18歳以上の乾癬性関節炎の患者409人について、プラセボ対照無作為化比較試験を行った。被験者のうち約2割は、これまでに1種類の抗TNFを服用し抵抗性を示しているため、より現実の患者の実態に近い被験者群になっているという。被験者の平均年齢は47〜48歳、女性は54〜58%を占め、平均BMIは29〜31kg/m2だった。

 研究グループは被験者を無作為に3群に分け、負荷投与を行った後、1群にはセルトリズマブ・ペゴール200mgを隔週投与(200mg群、138人)、別の群には同400mgを毎4週間投与(400mg群、135人)、もう一群にはプラセボを投与した(プラセボ群、136人)。プラセボ群以外には、負荷投与として、0、2、4週間目に400mgを投与した。

 主有効性評価項目は、投与12週後のACR20などだった。主な二次有効性評価項目は、投与24週後のACR20、投与24週後のHAQ-DI(Health Assessment Questionnaire Disability Index:健康評価質問票を用いた機能障害指数)のベースラインからの変化、投与48週後の修正後mTSSのベースラインからの変化などだった。

 その結果、12週後のACR20は、プラセボ群が24.3%に対し、200mg群は58.0%、400mg群は51.9%と、2倍以上となった(いずれも対プラセボP<0.001)。ACR50もまた、プラセボ群が11.0%に対し、200mg群は36.2%、400mg群は32.6%(同P<0.001)、ACR70はプラセボ群が2.9%に対し、200mg群は24.6%(対プラセボP<0.001)、400mg群は12.6%(同P=0.003)と、いずれもプラセボ群を大幅に上回っていた。

 投与後のACR20の変化について見てみると、投与1週間後から、プラセボ群とセルトリズマブ・ペゴール群で明らかな解離が認められ、セルトリズマブ・ペゴールの効果が早期に現れることも分かった。

 試験開始時から24週後のHAQ-DIの変化もまた、プラセボ群が−0.19に対し、200mg群が−0.54、400mg群が−0.46と、いずれも減少幅が有意に大きかった(対プラセボP<0.001)。

 試験開始時に乾癬が体表面積の3%以上だった被験者では、乾癬の面積と重症度の指数PASIスコアが75%以上改善した人の割合は、12週後はプラセボ群が14.0%に対し、200mg群と400mg群は46.7%と47.4%(いずれも対プラセボP<0.001)、24週後はプラセボ群が15.1%に対し、200mg群と400mg群は62.2%と60.5%(いずれも対プラセボP<0.001)と、セルトリズマブ・ペゴール群がプラセボ群の3〜4倍に上った。

 一方の安全性については、有害事象発生率はプラセボ群が68%に対しセルトリズマブ・ペゴール群が62%、重度有害事象発生率はそれぞれ4%と7%だった。

 今回の研究結果を踏まえ、「投与量はどちらが良いと思うか」という質問があったが、Mease氏は「12週後のACR70では、200mg群が400mg群より効果が高いようだった。患者さんにとって、200mg隔週投与も400mg毎4週間投与も、その負担が変わらないようなら、200mgの方がいいかもしれないが、毎4週間投与の方が便利であればそれでもいいだろう」と答えた。

(日経メディカル別冊編集)