米コロラド大学のM. Schiff氏

 生物学的製剤であるアバタセプト(皮下投与製剤)とアダリムマブ(ADA)について、有効性と安全性を比較検討したAMPLE試験の1年目の成績が報告された。1年時点の主要評価項目では、両者は同等の効果を示した。AMPLE試験に取り組んでいる米コロラド大学のM. Schiff氏らが、6月6日から9日までベルリンで開催中の欧州リウマチ学会(EULAR2012)で発表した。

 AMPLE (Abatacept Versus Adalimumab Comparison in Biologic-Naive RA Subjects With Background Methotrexate) 試験は、フェーズIIIbの無作為化評価者盲検で、介入から1年時点で主要評価項目を評価し、2年間にわたって比較する試験である。メトトレキサート(MTX)で効果が不十分な場合に使用される生物製剤は数多いが、どれを選んでいいのかという疑問には明確な答えがないのが現状だ。そこで演者らは、いわゆるHead-to-Headの試験が必要と考え、アバタセプト皮下投与製剤(ABA SC)とアダリムマブ(ADA)を比較検討するAMPLE試験を実施した。

 対象はMTX治療で十分な効果が得られなかった患者で、生物製剤を未使用だった646人。無作為にABA(125mg皮下投与/週)+MTX群、ADA(40mg皮下投与/隔週)+MTX群に割り付けた結果、ABA+MTX群は318人、ADA+MTX群は328人となった。1年間の介入試験を完了したのは、ABA+MTX群が274人(86.2%)、ADA+MTX群が269人(82.0%)だった。

 今回の発表では主要評価項目である介入から1年目の有効性について報告された。それによると、ACRスコア(ACR20、ACR50、ACR70)による評価の割合をみたところ、両群で同様の推移をたどっていた。また、X線画像上の症状進行が見られなかった患者の割合は、ABA+MTX群が84.8%、ADA+MTX群が88.6%と両者とも高率で、群間差は認めなかった。なお安全性については、皮下注射部位の痛み、発赤、腫れ、あざなどがABA群で有意に少なかった(ABA群3.8% 対 ADA群9.2%、P=0.006)以外は、両群で著しい差はなかった。

 これらの結果から演者らは、「MTXが不十分なRA患者に対する第一選択の生物製剤として、ABAとADAは同等である」と結論した。

(日経メディカル別冊編集)