Institut fur Kreislaufforschung und SportmedizinのHans-Georg Predel氏

 急性頸部痛治療におけるジクロフェナクジエチルアミン(DDEA)1.16%ゲルの有効性と安全性が示された。無作為、二重盲検、プラセボ対照試験によって明らかになったもので、ドイツInstitut fur Kreislaufforschung und SportmedizinのHans-Georg Predel氏らが6月6日からベルリンで開催中の欧州リウマチ学会(EULAR2012)で発表した。

 頸部痛はごく一般的な筋骨格系障害で、首の痛みのほかに炎症の典型症状をしばしば伴うのが特徴。人口の71%が生涯に一度は経験し、不快感の原因になることが多いという。非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)が首の痛みと炎症を抑えるのに用いられ、早い回復を促す。一方、外用DDEA 1.16%ゲルは、非ステロイド抗炎症薬で、臨床的に急性および慢性の筋骨格疾患の管理に有効で忍容性があることが証明されてきた。しかし、今までに頸部痛治療に使用することを支持する臨床データはなかったという。そこで演者らは、急性頸部痛治療におけるDDEA 1.16%ゲルの有効性と安全性を評価する検討を行った。

 方法は無作為、二重盲検、プラセボ対照、多施設、並列グループ試験とした。頸部関節と軟部組織から発する頸部痛の患者(n=72、平均年齢33.8歳)を無作為にDDEA 1.16%ゲル群(2g、4回/日、5日間)とプラセボ群に割り付けた。有効性の評価は、動作中の痛み(POM、主要有効性変数)、休息時の痛み(PAR)、機能的頸部障害指数(NDI)、治療の全体評価および治療に対する反応(48時間後のPOMの50%までの減少)により行った。また有害事象は、全ての診療時に記録した。

 その結果、主要アウトカムである48時間後のPOM(VASの減少幅)は、プラセボ群に比べ、DDEA群では約3分の1だった(19.5mm 対 56.9mm、P<0.0001)。DDEA群では、最初の評価時点である1時間後、2日後、3日後、5日後のすべての時点でPOMスコアがプラセボ群に比べて有意に低かった(P<0.0001)。PARとNDIの両スコアとも、プラセボ群に比べて、DDEA群で有意に低かった(P<0.0001)。

 また、DDEA群では患者全員が、5日目までに治療について「良い」から「大変良い」の評価をしたのに対し、プラセボ群では患者の19.4%のみだった(P<0.0001)。

 全体的にみると、治療に反応した患者の割合は、DDEA群で94.4%、プラセボ群で8.3%とDDEA群が有意に多いという結果だった(P<0.001)。なお有害事象は、プラセボ群において頭痛が1例に観察されただけだった。

 これらの結果から演者らは、「本試験で、DDEA 1.16%ゲルは速やかに首の痛みを軽減し、機能を回復させるのに有効で忍容性が良好であることが示された」と結論した。

(日経メディカル別冊編集)