ノルウェーSorlandet HospitalのAlvilde Dhainaut氏

 デジタルX線画像分析DXR)で測定した手の多孔性は、50歳超の女性の橈骨遠位端骨折リスクの予測因子であることが分かった。これは、ノルウェーSorlandet HospitalのAlvilde Dhainaut氏らが、前向きケースコントロール試験で明らかにしたもので、6月6日から9日までベルリンで開催されていた欧州リウマチ学会(EULAR2012)で発表した。

 Dhainaut氏らは2004〜05年にかけて、地域の病院を通じ、橈骨遠位端骨折をした50歳超の患者123人と、年齢・地域をマッチしたコントロール群170人について、前向きケースコントロール試験を行った。被験者は、利き腕ではない方の手についてDXRによる骨密度、多孔性、皮質厚、骨幅を測定した。合わせて、二重エネルギーX線吸収法(DXA)により腰椎(L2-4)と大腿骨頚部の骨密度も測定した。

 ケース群とコントロール群では、身長や体重、喫煙率、運動量、ビタミンD、ビスホスホネート、エストロゲン、グルココルチコイドの服用率などに、有意差はなかった。

 その結果、大腿骨頚部の骨密度は、ケース群が0.789g/cm2に対しコントロール群は0.844/cm2(P=0.001)、DXR測定による手の骨密度はそれぞれ0.492/cm2と0.524/cm2(P<0.001)といずれもケース群で有意に低かった。また多孔性についても、ケース群が0.01256に対しコントロール群が0.01093(P<0.001)、皮質厚もそれぞれ0.148と0.161(P<0.001)と有意差が見られた。

 次に、単変量回帰分析でP<0.2だった変量を盛り込み、多変量回帰分析を行ったところ、橈骨遠位端骨折リスクと有意な関連が認められたのは、DXR測定による手の多孔性のみだった。1パーセント・ポイント増加することによるオッズ比は、1.436(95%信頼区間:1.206〜1.710、P<0.01)だった。

 橈骨遠位端骨折は、最も多い骨粗鬆症性骨折の1つだが、Dhainaut氏によると、発症者の7割程度が骨粗鬆症の基準であるTスコア-2.5以下ではないという。この点についてDhainaut氏は、「今回、DXR測定による手の多孔性が橈骨遠位端骨折のリスク予測因子であることが明らかになったことは重要だ」と語った。

 会場の医師からも、「DXRは長年に渡り使われており、その新しい実用性が明らかになったのは嬉しいことだ」と、結果を評価する声があった。

(日経メディカル別冊編集)