Polyclinic of the Hospitaller Brothers of St John of GodのT.Gati氏

 脂質異常糖代謝異常などが炎症性多発性関節炎(IP)の発症に及ぼす影響について、EPIC-Norfolk(Europian Prospective Investigation of Cancer in Norfolk)コホートを用いて検討したところ、低HDL-C、および高HbA1cが、IPの発症を予測する有意な因子であることが示された。6月6日から9日までベルリンで開催されていた欧州リウマチ学会(EULAR2012)で、ハンガリーのPolyclinic of the Hospitaller Brothers of St John of GodのT.Gati氏らが発表した。

 対象は、EPIC-Norfolkコホート参加者2万5455人(40〜79歳)。フォロー期間の中央値は14.2年で、IPを発症した人は184人(男性30.4%)、平均発症年齢は65.2歳だった。

 ベースライン時に測定したBMI、糖尿病履歴、HbA1c、HDL-CなどとIPの発症リスクとの関連について分析したところ、単変量解析の結果では、HbA1c(HR=1.3、1%増当たり、95%信頼区間[CI]:1.09-1.55、P<0.005)がIPの発症リスクの増加と有意な関連を示し、交絡因子で補正後も同様の結果が得られた(HR=1.24、1%増当たり、95%CI:1.05-1.47、P<0.05)。Apo-A1、Apo-B、HDL-Cについては、単変量解析ではIPの増加と有意な関連が見られなかった。

 多変量モデルでの解析(交絡因子補正後)では、HDL-C(HR=0.76、0.4mmoL/L増当たり、95%CI:0.57-1.00)とHbA1c(HR=1.24、1%増当たり、95%CI:1.05-1.47)の2つがIPの発症と有意な関連を示した。

 Gati氏は、「低HDL-Cと高HbA1cは、IPの将来的な発症と有意な関連を示すことが分かった。HDL-Cの抗炎症的な作用がIPの発症を抑制している可能性がある。また高HbA1cはインスリン抵抗性を引き起こし、炎症を促進することなども考えられる」と話した。

(日経メディカル別冊編集)