ユトレヒト大学のE. Bossema氏

 線維筋痛症患者はしばしば、天気によって症状が悪化すると訴えるという。オランダのユトレヒト大学のE. Bossema氏らは、天候と日常の痛みや疲労感との関係を検討し、ごくわずかだが影響があることを明らかにした。患者間で相違があることも分かったが、影響を受けやすい患者の特徴は今後の解明にゆだねられた。成果は、6月6日にベルリンで開幕した欧州リウマチ学会(EULAR2012)で発表された。

 演者らは、線維筋痛症の女性患者333人を対象に、天候が痛みや疲労に及ぼす影響を検証した。対象の平均年齢は47.0歳、診断されてからの平均年数は3.5年だった。

 調査では、対象者に、28日間連続で即座の痛みと疲労に関する質問事項に答えてもらう日記をつけてもらった。一方の毎日の天気については、オランダ国立気象研究所から気温、日照時間、降雨量、大気圧、相対湿度および風速のデータを得た。以上の6つの天候状況を含め、多層回帰分析を行った(有意水準はP値=0.008と定めた)。

 その結果、333人中50人において、天候と痛みおよび疲労症状との間で何らかの関連性が見られたが、著しい影響が観察されたのは5人だけだった。具体的には、痛みは前日の相対湿度上昇(P=0.004)と同日の雨(P=0.003)のそれぞれと関係があった。また、疲労は前日の高気温と関係があった(P=0.001)。

 次に演者らは、天候と痛みや疲労との関係について患者間で相違が認められたことから、影響を受けやすいのはどのような背景の患者なのかを調べた。しかしながら、天候に対する感受性の相違について、人口統計学的、機能的、心理的な患者の特徴のどれをもってしても説明できるものはなかった。

 これらの検討から演者らは、「本研究では線維筋痛症の女性患者の日常の痛みや疲労に対する天候の影響がごくわずかに示された」と結論した。ただし、天候と症状の関係は患者間で相違があり、どのような患者の特徴がその相違を引き起こすのかは明らかではなく、今後の検討が必要と結んだ。

(日経メディカル別冊編集)