リウマチの臨床の現場で使われるNVCNailfold video capillaroscopy爪郭部ビデオ毛細血管顕微鏡)検査は、糖尿病患者の血管異常の検出にも有用であることが示された。イタリアのローマ大学サピエンツァ校のK. Stefanantoni氏らが、ロンドンで開催された欧州リウマチ学会EULAR2011)で発表した。

 糖尿病は慢性の高血糖と、網膜症や腎症などの微小血管の糖尿病特有の変化の発症によって特徴付けられる。一方、NVC検査は、確立された画像技術で体内の微小循環のさまざまな様相を評価する目的で、リウマチ臨床で広く用いられている。演者らは、糖尿病患者の血管異常の検出にも応用できるのではないかと考え、NVCを用いて糖尿病患者における毛細血管異常の存在を調査し、それで得られた知見と網膜血管で検出される糖尿病患者に典型的な微小血管症性病変との相関を調べた。

 対象は、糖尿病患者49人(1型が21人、2型が28人)と健常者39人。すべての患者で眼底検査を行い、必要であれば網膜蛍光血管造影を行った。また、すべての被験者に対しNVC検査を実施し、毛細血管ループの密度、長さ、形態、および分布、拡張の存在、微小出血、および血流の変化などを評価した。NVC検査での知見を定量化するため、0から3までのスコアを適用した。

 分析の結果、糖尿病患者では正常コントロール群に比べ、有意にNVCスコアが増加した(p<0.001)。また、毛細血管の長さ (p<0.01)、分布(p<0.02)、形態(p<0.001)、密度(p<0.02)、流れ(p<0.01)の異常が正常群より大きく、拡張ループ(p<0.01)、浮腫あるいは滲出(p<0.03)が存在していた。さらに、2型糖尿病患者に比べて、1型患者では有意にNVCスコアが高く(p<0.01)、形態の変化が多かった(p<0.03)。

 NVCスコアはまた、眼底検査と蛍光血管造影の両方で検出された網膜症の存在と正の相関があった(それぞれp<0.001とp<0.02)。これは性別、年齢、糖尿病の種類および他の可能性のある交絡因子とは独立していた。さらに、NVCは網膜症のない糖尿病患者のほぼ50%で異常を同定することができた。

 これらの結果から演者らは、「NVC検査によって、糖尿病患者の爪郭部毛細血管の変化を検出できることが明らかになった」と結論。「これらの異常は、網膜の損傷と密接に相関があり、糖尿病の1型と2型ともに全身の微少血管に異常があることを反映したものと考えられた」などと考察した。

(日経メディカル別冊編集)