関節リウマチRA)治療においては、インフリキシマブIFX)によって寛解ないし低疾患活動性が一定期間維持されれば、その後は休薬できる可能性が、BeSt試験RRR試験などにより示唆されている。あらかじめ規定されたレジメンの中でDASの評価に基づきIFXの投与量調整・休薬・再投与を行うBeSt試験のサブ解析から、喫煙、投与期間、shared epitope陽性の3つがIFX休薬後に疾患活動性を上昇させるリスク因子となる可能性が示された。これらの結果は、オランダ・Leiden大学のMarianne van den Broek氏らにより、ロンドンで開催された欧州リウマチ学会(EULAR2011)で報告された。

 BeSt試験は、早期RA患者508人を対象に、第1群(MTX単剤で治療を開始し、効果不十分なら増量、さらには他の抗リウマチ薬[DMARDs]、IFXへ変更する逐次的な単剤治療)、第2群(MTX単剤で治療を開始し、効果不十分なら増量、さらには他のDMARDsを追加、次にIFXへ変更という段階的な併用治療)、第3群(MTX+スルファサラジン+高用量ステロイドの併用で治療を開始し、必要に応じてMTXの増量、IFXに変更)、第4群(IFX+MTXで治療を開始)という4つのレジメンを比較する試験。

 治療の変更は3カ月ごとのDAS44の値に基づいて行われる。設定された薬剤で低疾患活動性(DAS44≦2.4)に到達しない場合は次のステップへ、逆に低疾患活動性の状態が最低6カ月維持できれば薬剤を順次減量または休薬とした。

 追跡7年の時点で、一度でもIFXの投与を受けていた患者は、第1〜3群のうち109人と第4群の120人。これらの患者のうち、前者では27人(25%)、後者では77人(64%)の患者が低疾患活動性の維持によりIFXを休薬した。IFX休薬時のDAS44は1.3(平均値)、罹病期間は23カ月(中央値)、シャープスコアは5.5(中央値)だった。

 全体としてIFX休薬に至った患者のうち48%(50人)でIFXの投与が再開されたが、うち84%(42人)の患者はIFXの投与再開で再び低疾患活動性を達成した。また、IFX休薬中も関節破壊の進行は認められなかった。

 IFX休薬後に投与再開となる患者のリスク因子を検討したところ、喫煙(ハザード比[HR]:2.1、95%信頼区間:1.1-4.2)、IFX投与期間が18カ月以上(HR:2.4、95%信頼区間:1.1-5.4)、RAの発症に関連するHLA対立遺伝子のshared epitope(SE)陽性(HR:3.7、95%信頼区間:1.3-10.6)の3つの因子が同定された。

 これら3つのリスク因子がない患者(非喫煙、IFX投与期間<18カ月、SE陰性)におけるIFX休薬後の投与再開率はわずか6%にとどまった。また、SEは抗CCP抗体との強い関連性が知られていることから、SEを抗CCP抗体に置き換えて解析が行われた。その結果、リスク因子のない患者(非喫煙、IFX投与期間<18カ月、抗CCP抗体陰性)におけるIFX休薬後の投与再開率は11%であった。

 M. van den Broek氏らは、「喫煙、SE陽性、1年半以上のIFX投与は、IFX休薬後に疾患活動性の上昇をもたらすリスク因子の可能性がある」と結論した。

(日経メディカル別冊編集)