ニューファンドランド・メモリアル大学(セントジョーンズ)のProton Rahman氏

 強直性脊椎炎AS)は、白色人種における有病率が0.1〜1.1%で、HLA-B27との関連が深いとされているリウマチ性疾患の1つだ。今回、カナダの実臨床におけるAS患者の管理状況が解析された結果、インフリキシマブIFX)で治療開始することにより、AS患者の症状や治療結果の有意な改善が得られることが示された。ロンドンで開催された欧州リウマチ学会EULAR2011)で、ニューファンドランド・メモリアル大学(セントジョーンズ)のProton Rahman氏(写真)らが報告した。

 今回の検討は、関節リウマチ(RA)、AS、乾癬性関節炎(PsA)患者を対象とし、2005年から開始され現在進行中の観察研究 BioTRAC(Biological Treatment Registry Across Canada)のコホートのうち、生物学的製剤による治療歴が「ない」または「6カ月未満」の条件を満たし、IFXで治療開始されたAS患者98人を対象に解析が行われた。6カ月間のIFXによるAS治療の効果を検討すると同時に、ASDAS(AS Disease Activity Score)の妥当性についても検討された。

 ASDASはASAS(Assessment of SpondyloArthritis international Society)グループにより提唱されている、ASの新しい疾患活動性の指標である。RAにおけるDASと同様の方法で検討された結果、4パターンのASDASが提唱されている。そのうち今回は、最も優れているとされる「0.121×背部痛の程度+0.058×朝のこわばり持続時間+0.110×患者全般評価+0.073×末梢関節の疼痛・腫脹の程度+0.579×Ln(CRP+1)」の計算式で算出されるASDASを用いて検討が行われた。

 検討の結果、98人すべてが生物学的製剤による治療歴がない患者だった。患者の平均年齢は46.7歳、女性が41.8%で、平均罹病期間は11.2年だった。IFX治療開始前は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs、54.1%)、メトトレキサート(MTX、28.6%)、ステロイド(15.3%)、スルファサラジン(10.2%)による治療を受けていた。IFXの平均投与量は4.33mg/kgだった。

 IFX投与開始6カ月後には、ESR、BASDAI、BASFI、HAQ、朝のこわばり、医師による全般評価、ASDASのすべてが、IFX投与開始時と比べ有意に改善した(p<0.001)。さらにこれらの効果は、36カ月の治療期間を通じて維持されていた。

 また、36カ月間のASDASとBASDAIの間には有意な正の相関が認められた(r=0.83、p<0.001)。

 これらの結果は、IFXのASに対する有効性と安全性を検討した無作為化プラセボ対照比較試験ASSERTの結果と一致するものだった。Rahman氏らは、「今回の解析から、IFXは実臨床でもAS患者の症状や転帰を改善することが明らかになった。また、ASDAS はBASDAIと同様に有用な診療評価ツールとなることが示された」と結論した。

(日経メディカル別冊編集)