台湾のChang Gung Memorial 病院のC-F.Kuo氏

 痛風は、急性心筋梗塞AMI)発症の独立したリスクファクターで、心血管系のリスクが少ない若年の痛風患者においてより強いリスク因子となることが報告された。台湾のChang Gung Memorial 病院のC-F.Kuo氏(写真)らの研究で明らかになった。成果は、ロンドンで開催された欧州リウマチ学会EULAR2011)のLate breaking abstract sessionで発表された。

 台湾の医療保険(National Health Insurance)の2000年のデータベースから、20歳以上の70万4503人のコホートを抽出し、ICD-9により痛風と診断された痛風群(2万6556人)と痛風でない非痛風群(67万6947人)に分け、AMIによる入院、全AMI、致命的なAMI、致命的ではないAMIのそれぞれの発生について2008年まで追跡した。

 その結果、全AMIの発症リスクが痛風群で非痛風群よりも23%高いことが分かった(年齢、性別、糖尿病、高血圧、冠動脈疾患、脳卒中、血液透析の必要な腎疾患などで補正後、p<0.001)。ただし、致命的AMIの初発については、2群間で有意差はなかった。

 さらに全コホートを心血管系リスクがない患者群と、リスクがある患者群に分けて、それぞれ痛風のAMIに対する影響を調べた。その結果、痛風は全AMIの発症に対する独立したリスクファクターで、心血管系リスクのある患者群(補正後のハザード比:1.24、95%信頼区間:1.10-1.39)よりも、リスクのない患者群(同:1.76、95%信頼区間:1.45-2.13)において、より関連が強かった。

 痛風患者を年齢グループ別に分析すると、全AMI発症のハザード比は、20〜44歳で1.59(95%信頼区間:1.12-2.24)、45〜59歳で1.24(95%信頼区間::1.08-1.41)、60歳以上で1.11(95%信頼区間:0.94-1.32)となり、年齢が若い痛風患者ほど全AMIとの関連が強い傾向が見られた。

 これらの結果をもとにC-F.Kuo氏は、「心血管系のリスクが少ない若い痛風患者についても、定期的に循環器疾患のチェックを行う必要があるかもしれない」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)