欧州リウマチ学会EULAR)での発表演題のうち、論文掲載に至るのはどれほどなのだろうか――。こんな興味深い問いかけに対して、35%前後だったという成績が報告された。2008年のパリ大会の演題を追跡調査した結果で、トルコのGulhane School of MedicineのU. KALYONCU氏らが、ロンドンで開催された欧州リウマチ学会EULAR2011)で発表した。

 最近の系統的レビューによると、一般的な学会において、3万件ある抄録のうちの45%は論文掲載を実現していることが報告されている。演者らはこの報告に着目。2008年にパリで開催された第9回EULARを対象に、論文化率を調査した。

 演者らはまず、2008年EULARの抄録集をもとに、研究の対象の規模や治療法のほか、発表の方法を調べた。また、内容が臨床か非臨床なのか、無作為試験かそれ以外か、1施設での検討なのか複数の施設での検討なのか、同一国でのものか複数国にまたがるものか、などの項目を調べ上げた。

 その上で、2010年12月から2011年1月の期間を調査期間とし、世界的な論文データベースであるPubmedを使い、論文化の実績を調査した。

 調査では、1732抄録が評価対象となった。内訳は、一般口演による発表が270件、ポスターによる発表が1462件だった。対象となった患者数は中央値で106人(0〜6万7460人)、論文掲載までの期間は、中央値で13(0〜31)カ月だった。疾患別では、関節リウマチ(RA)が31%と最も多く、結合組織疾患が14%、乾癬性関節炎が7%、変形性関節炎が6%と続いた。

 調査期間中に雑誌掲載が確認されたのは、1732抄録中601件だった。論文化率は34.7%となった。雑誌別では、「Arthritis Rheumatism」が105件(17%)、「Annals of Rheumatic Diseases」が95件(16%)、「Rheumatology」が61件(10%)、「Journal of Rheumatology」が46件(8%)だった。論文となった半数以上は、こうした質の高い雑誌に掲載されていた。

 学会での発表の種類別で論文化率をみると、一般口演が44.2%でポスター発表の33.0%より有意に多かった(p<0.001)。また、参加施設数別では、複数国である場合が41.7%、少なくとも2施設以上の場合が35.6%で、それぞれ1施設の場合(32.3%)より有意に多かった(p=0.008)。試験内容が無作為化である場合の論文化率は45.1%で、それ以外の33.8%より有意に多かった(p=0.006)。登録症例数については、中央値より多い場合の論文化率が36.2%で、中央値より少ない場合の30.3%より有意に多いという結果だった(p=0.017)。

(日経メディカル別冊編集)