ノルウェーのDiakonhjemmet病院のE.Lie氏

 治療法の進歩により、炎症性関節炎患者の症状やQOLは著しく向上したが、一方で新薬のコストなどの負担は増加している。炎症性関節炎患者における直接的コスト(治療に関わる費用など)と間接的コスト(病欠などによる労働生産性の損失)を調べたところ、2年間の総コストは強直性脊椎炎AS)、関節リウマチRA)、乾癬性関節炎PsA)の順に高く、いずれの場合も最初の6カ月間がピークでその後は減少することが分かった。5月25日から28日までロンドンで開催された欧州リウマチ学会EULAR2011)で、ノルウェーのDiakonhjemmet病院のE.Lie氏(写真)らが発表した。

 Norwegian DMARD register(NOR-DMARD)のデータから、生物学的製剤、および非生物学的製剤による治療を開始したRA患者1664人(平均年齢56歳、罹病期間7年)、AS患者245人(43歳、13年)、PsA患者491人(49歳、7年)を抽出し、治療開始後6カ月ごとの4クール、計24カ月間にかかったコストを分析した。

 直接的コストは、薬、診察、入院、画像診断、リハビリなどの医療費で、間接的コストは、病欠などに伴う労働生産性の損失とした。最初の6カ月の直接的コストの平均は、RA患者群で2万1344ユーロ、AS患者群で2万7572ユーロ、PsA患者群で2万343ユーロで、AS患者群が最も高かった。しかし、これらのコストは最後の19〜24週の6カ月間では軽減し、それぞれ10%、15%、12%低下した。2年間の総コストはAS患者群が最も高く、生物学的製剤の使用量に関連していた。

 また、2年間の総コストのうちで間接的コストの占める割合は大きく、RA群80%、AS群62%、PsA群82%だった。薬代の割合は、それぞれ9%、21%、8%だった。
 
(日経メディカル別冊編集)