米The JeSTARx GroupのRichard A Brook氏

 米国では、従業員1人当たりの医療費や就業不能による所得補償などの負担が、糖尿病うつ病において大きいことは広く知られているが、関節リウマチのコスト負担の方がこれらよりも大きいことが示された。米The JeSTARx GroupRichard A Brook氏(写真)らが、5月25日からロンドンで開催されている欧州リウマチ学会EULAR2011)で発表した。

 関節リウマチ(RA)に関する米国における2005年の社会的費用負担は約193億ドルで、従業員の所得補償などの間接的コストも含めると約329億ドルにも及ぶことが報告されている。

 そこで、米国のHCMS(Human Capital Management Services Group)のデータベース上の80万人以上の従業員の中から、1年以上のhealth planの登録をしている34万人について分析。その結果、RA患者は0.8%、糖尿病患者は6%、うつ病患者は6%だった。

 これらの各疾患群において、病気を発症した日から1年間に有したコストおよび病欠などについて、病気を発症しなかった場合(コントロール群)に対する増分を算出した(回帰モデルにより年齢、性別、結婚、人種、年収などについて補正)。その結果、それぞれの病気を発症した場合の年間総コスト増は、関節リウマチが5212ドルで最も高く、糖尿病よりも1514ドル、うつ病よりも1197ドル高かった(p<0.05)。

 内訳でみると、RAを発症した場合にヘルスケアコストや薬代などの直接的コストが、糖尿病やうつ病よりも高くなることが分かった。一方、病欠、短期および長期の就業不能、所得補償などの間接的コストについては、うつ病が最も高く(806ドル)、次がRA(525ドル)だった。

 また、それぞれ年間病欠日数の増加は、うつ病で6.42日と最も高く(p<0.05)、関節リウマチで3.58日、糖尿病で2.73日だった。

 Richard A Brook氏は、「関節リウマチは、糖尿病やうつ病などに比べて患者数は少ないが、発症した場合のコスト負担は多いことが明らかになった。事業主やhealth planは、改めて同疾患患者に早期に医療機関を受診させ、適切な治療を受けさせることの重要性を認識する必要があるだろう」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)