スイスのチューリッヒ大学のK.Niedermann氏

 強直性脊椎炎AS)の患者に対し、ストレッチングなどの通常のリハビリテーションに加え、有酸素運動を行わせると、呼吸・循環器系の体力が向上するだけでなく、疲労や痛みなどの軽減も期待できる可能性が示された。5月25日からロンドンで開催されている欧州リウマチ学会(EULAR2011)で、スイスのチューリッヒ大学のK.Niedermann氏(写真)らが発表した。

 改訂ニューヨーク診断基準によりASと診断された患者106人(平均年齢49歳)を心肺トレーニング群とコントロール群に無作為に分け、心肺トレーニング群は有酸素運動として週に3回、20分以上のノルディック・ウオーキング(最大心拍数50〜85%の強度)を実施した。コントロール群は月に1回、病気にどう対処するかについてのディスカッションを2時間行った。

 介入期間は12週間。主要評価項目は最大下自転車こぎテスト(PWC75%プロトコール)による最大酸素摂取量(VO2max)で、副次的評価項目は、痛みや疲労などの指標となるBASDAIスコアとした。いずれの値もANOVA回帰分析で補正(性別、年齢、BMI、ベースラインの体力や身体活動量など)を行った。

 12週間のトレーニング終了後のVO2maxは、心肺トレーニング群(109.84watts)が、コントロール群(90.3 2watts)に比べ有意に高かった(p=0.001)。また、心肺トレーニング群はコントロール群に比べ、平均BASDAIスコアが1.75ユニット(p=0.18)低く、痛みや疲労が軽減した可能性が示唆された。

 K.Niedermann氏は、「有酸素運動は、AS患者の体力を向上させるだけでなく、痛みや疲労感の軽減などプラスアルファの効果が期待できる可能性が示された。特に、2本のスティックを使いながら歩くノルディック・ウオーキングはAS患者に適した有酸素運動だ」とまとめた。

(日経メディカル別冊編集)