オークランド大学のN. Dalbeth氏

 痛風は、砂糖入り飲料の摂取増加と関係があることが報告された。痛風である人と痛風でない人のデータを比較検討した結果、明らかになった。オークランド大学N. Dalbeth氏(写真)らが5月26日、ロンドンで開催されている欧州リウマチ学会EULAR2011)で発表した。

 これまで、ブドウ糖果糖液糖(HFCS;55%果糖、甘味飲料・果物)の消費と、高尿酸血症・痛風のリスクとの関係は北米から報告されていた。一方、ニュージーランドは独特で、清涼飲料とフルーツジュースはHFCSよりもショ糖(50%果糖)で甘味してあるものがほとんどであることから、演者らはニュージーランドにおいて砂糖入り飲料と痛風との関係を調べた。

 痛風である753人と痛風でない633人からデータをとり、フルーツジュースを含む砂糖入り飲料や果物の摂取と痛風との関係を調べた。痛風であるかどうかは米国リウマチ学会(ACR)の基準を用いた。1単位の飲料は1缶あるいは大コップとした。その上で、ニュージーランドマオリ族、白人および西ポリネシア人(サモア人、トンガ人、ニウエ人)の3民族について比較検討した。

 その結果、有意に痛風リスクが増加したのは、1日に4単位以上の砂糖入り飲料を摂取した場合のみであった。例えば、ニュージーランドマオリ族では1日当たり4単位以上砂糖入り飲料を摂取した時、痛風リスクが4倍近く(オッズ比3.46)となった。白人の対象者では、毎日の果物の摂取に保護効果があること(果物1片の補正オッズ比:0.32、p=0.075、同2-3片のオッズ比:0.23、p=0.022、同4片以上のオッズ比:0.15、p=0.007)が観察されたが、これはこれまでの1つ北米での研究と一致したが、もう1つの北米研究とは一致しなかった。その他の民族グループの中では、果物の摂取と有意な関係は見られなかった。

 これらの結論から演者らは、今回の結果は「対象としたニュージーランドの民族グループ全てにおいて、砂糖入り飲料の摂取の増加と痛風との間に関係があることを示した」と結論した。この関係から考えられるのは、AMPおよびそれに続く尿酸塩産生を介して血清尿酸塩濃度に与える果糖の直接的な影響と、インスリン抵抗性と尿酸塩の腎排泄に与える長期の果糖の影響があると見られるとした。また、果糖を含んでいるにも関わらず果物に保護効果があるのは、「おそらく果物に含まれる痛風予防物質、あるいは果物摂取が痛風予防食のマーカーになっていることによるものだろう」と考察した。

(日経メディカル別冊編集)