若年性強直性脊椎炎(JAS:Juvenile Ankylosing Spondylitis)は、10〜15歳の小児(特に男児)に好発する慢性の炎症性疾患であり、脊椎および大関節の関節炎と腱付着部の炎症(付着部炎)により、こわばりや疼痛を生じる。モスクワ・Scientific Center of Children's HealthのE. I. Alexeeva氏らは、JAS患児にインフリキシマブ(IFX)を導入することにより、著明な改善が得られたことを報告した。研究結果は6月16日から19日にローマで開催された第11回欧州リウマチ学会(EULAR 2010)で発表された。

 対象は、JASと診断された男児38例、女児17例の計55例。年齢中央値は12.7歳、罹病期間中央値は3.1年である。IFX導入前の治療内容は、メトトレキサート(MTX)が41例、スルファサラジンが5例、シクロスポリン(CsA)が1例、CsAとMTXの併用が3例、CsAとレフルノミドの併用が1例、コルチコステロイド内服(平均9.6mg/日)が4例であった。

 Alexeeva氏らは、上記の治療を中止のうえ、MTX(20mg/m2/週)またはCsA(3.8mg/kg)の併用下にて、0、2、6週と以後8週毎にIFXを投与し、最長102週間にわたって追跡した。なお、IFXの投与量は、平均7.1mg/kgであった。

 その結果、6回目の投与時には、医師の評価によるVASはIFX導入前の58.3±13.4から9.2±6.6へ、患者またはその両親の評価によるVASは63.3±14.76から12.1±7.6へと著明に低下した(ともにp<0.001)。また、活動性の関節数は5.6±1.8から0.5±0.83へ(p<0.001)、可動域制限のある関節数は5.4±1.7から0.5±0.7へと減少し(p<0.001)、小児用HAQも1.62±0.5から0.19±0.2へと有意に改善した(p<0.01)。炎症マーカーについても、ESRは43.1±13.8mm/hrから12.1±2.8mm/hrへ(p<0.001)、CRPは5.1±3.7mg%から0.47±0.4 mg%へ(p<0.01)と有意に低下した。

 全55例中30例は、2年間で15回のIFX投与を完遂し、うち84%が寛解状態となった。一方、この期間中に重篤な有害事象の発現例はなかった。JAS治療においてIFXは安全かつ有効な選択肢であると考えられた。

(日経メディカル別冊編集)