関節リウマチ(RA)患者における各TNF阻害薬の継続率については、多くの報告がなされているが、関節症性乾癬(PsA)患者については情報がまだ少ない。そこでUMass Medical SchoolのL. Harrold氏らは、米国の大規模患者登録研究であるCORRONA研究の一環として、PsA患者におけるTNF阻害薬継続状況の検討を行った。その結果、初めてTNF阻害薬を処方されたPsA患者においては、アダリムマブ(ADA)やエタネルセプト(ETN)などの皮下注製剤より、静注製剤であるインフリキシマブ(IFX)の方が高い継続率が認められるという結果を得た。研究結果は6月16日から19日にローマで開催された第11回欧州リウマチ学会(EULAR 2010)で報告された。

 CORRONA研究は、2000年に開始されたRAとPsA、変形性関節症、骨粗鬆症の患者登録研究である。今回の検討では、登録患者のうち、2002年2月〜2009年12月にTNF阻害薬治療を開始し、少なくとも1回はフォローアップ診療を受けたPsA患者499人を対象に、投与されたTNF阻害薬の種類とその後2年間の継続状況を調べた。このうち、皮下注製剤を処方した患者(SC群)は379人、静注製剤を処した患者(IV群)は120人であった。

 IV群ではSC群に比べて腫脹関節数が有意に多く(平均5.4 vs 3.8、p=0.007)、メトトレキサート(MTX)使用率が有意に高率(61.7% vs 48.3%、p=0.012)だった。また、公的保険(Medicare)加入者が多く(30% vs 16%、p=0.004)、私的保険加入者が少ない(80% vs 89%、p=0.020)という違いがみられた。

 全499人のうち267人(SC群201人、IV群66人)は、初めてTNF阻害薬を処方された患者であった。これらの患者の1年後と2年後の治療継続率は、IV群ではそれぞれ87%、76%であったのに対し、SC群では74%、58%と低率だった。IV群における治療中止のハザード比は、受診頻度について補正前で0.49(95%CI:0.27-0.89)、補正後で0.36(同0.19-0.69)であった。

 また、他のTNF阻害薬から切り替えた232人(SC群178人、IV群54人)でも、治療継続率はIV群の方が高めだった(1年後:SC群66% vs IV群79%、2年後:SC群46% vs IV群51%)が、統計的な有意差は認められなかった。

 以上の結果より、少なくともTNF阻害薬を初めて処方されたPsA患者では、ADAやETNなどの皮下注製剤よりも静注製剤であるIFXの方が継続率が高いことが示唆された。今回の発表では、その理由についての考察は示されなかったが、演者らの以前の報告では、RA患者においても同様の結果が認められており、PsAに特異的な現象ではないことが推測される。

(日経メディカル別冊編集)