産業医科大学教授の田中良哉氏

 関節リウマチ(RA)治療の究極の目標である「drug-free寛解」の可能性を探るRRR(トリプルR)試験の2年目の中間解析結果が発表された。同試験の責任者である産業医科大学教授の田中良哉氏は、1年目の解析においてインフリキシマブ(IFX)休薬下で低疾患活動性を維持していた患者の81%は、2年目においてもその状態を維持できており、関節破壊の進行もみられなかったことを示した。研究成果は6月16日から19日にローマで開催された欧州リウマチ学会(EULAR 2010)で発表された。

 RRR試験は、IFX+メトトレキサート(MTX)による治療下で低疾患活動性(DAS28-ESR<3.2)を達成し、その状態が24週間以上持続している18歳以上の患者に対し、患者の同意が得られれば、IFX投与を中止して経過を観察するというもの。主要評価項目は、1年目の低疾患活動性維持率と、Total Sharp Score(TSS)の年間進行度が0.5ポイント未満に保たれている患者の割合である。

 同試験には、IFXの休薬に同意した114人の患者が登録された。1年目の解析では、転院などによる早期脱落例12人を除く102人のうち56人(55%)で低疾患活動性が維持され、うち44人(43%)は臨床的寛解(DAS28-ESR<2.6)であったことが明らかにされている。

 今回の2年目の解析で、休薬開始後1年目に低疾患活動性を維持していた56人のうち、2年目の状況が確認できた患者は52人であり、そのうち42人(81%)は低疾患活動性を維持したままであった。なお、残り10人中4人は追跡不能や個人的理由による脱落であり、DAS28-ESRの再上昇を呈した患者は6人にとどまった。

 また、休薬開始後1年目にDAS28-ESRが3.2を超えた46人のうち、17人はその後もIFXの休薬を継続しており、うち6人が今回の2年目の解析では低疾患活動性を達成していた。さらに上記の42人と合わせて、休薬開始後2年目に低疾患活動性であった計48人のうち、29人(60%)は臨床的寛解であった。なお、MTXを休薬したdrug-free寛解例は5人であった。

 また、1年目・2年目ともに低疾患活動性が維持されていた患者(42人)のうち、X線学的解析が可能であった17人におけるTSSの増加は、2年間でわずかに0.6±1.2ポイントであり、7人では全く関節破壊の進行が認められなかった。

 以上のように、IFX+MTXにより低疾患活動性を達成し、6カ月以上維持できた患者の半数以上は少なくとも1年のIFX休薬が可能であり、その8割以上は2年目にも関節破壊の進行を伴うことなく、低疾患活動性を維持できていたことが明らかとなった。本試験の対象患者は罹病期間が最長38年、平均5.9年という「長期罹病例」が多くを占めていたにもかかわらず、高率でIFXの休薬が可能であったという事実は、RA自然史の定説を覆す重要な知見といえよう。

(日経メディカル別冊編集)