米テキサス大学Southwestern Medical CenterのRoy Fleischmann氏

 TNF阻害薬には静注製剤のインフリキシマブ(IFX)と皮下注製剤のアダリムマブ(ADA)、エタネルセプト(ETN)があるが、皮下注製剤のTNF阻害薬が無効あるいは効果不十分であっても、他のTNF阻害剤が無効とは限らない。米テキサス大学Southwestern Medical CenterのRoy Fleischmann氏らは、先頃実施された第IV相(市販後)試験RESTARTにおいて、ADAまたはETNが無効あるいは効果不十分な患者に対してIFXへの切り替えを行った結果、切り替え後10週時には患者の約半数が治療に応答し、EULAR基準でModerate/Good responseを得たことを報告した。

 RESTART試験は、メトトレキサートの併用下でADAまたはETNによる3カ月以上の治療にもかかわらず、効果不十分(腫脹関節数≧6かつ圧痛関節数≧6など)な関節リウマチ(RA)患者を対象に、IFXへの切り替えによる有効性と安全性を検討する第IV相試験である。切り替え10週後の有効率(EULAR基準でModerate/Good response)を主要評価項目とし、30週間の追跡を行った。本検討では実臨床下での切り替えの有用性を評価するという主旨に即し、切り替えにはwash-out期間を設けず、前治療薬の中止後、ただちにIFX治療を開始した。IFXは0、2、6週の投与で導入後、8週間隔で投与し、14週の投与以降は必要に応じて投与量を増量した。

 登録例数は203人であり、125人(61.6%)がETNからの切り替え、79人(38.9%)がADAからの切り替えであった(1人は両剤の使用歴あり)。平均年齢は54±12.1歳、156人(79.2%)が女性であり、平均罹病期間は6.8±6.6年だった。また、ベースライン時の腫脹関節数と圧痛関節数は、それぞれ17.4±10.5、30.2±16.9、DAS28-ESRは6.19±0.98であった。

 30週間の追跡を完遂した患者は197人(ETN群121人、ADA群77人、1人は両剤の使用歴あり)だった。10週後のDAS28-ESRはベースライン時より平均1.1ポイント改善し(p<0.001)、ほぼ半数に当たる49.7%(98/197)の患者でModerate/Good responseが得られた。さらに、腫脹関節数は17.4から10.4へ、圧痛関節数は30.2から19.4へと著明に減少し、HAQは平均0.17ポイント改善した(すべてp<0.001)。また、有害事象のプロファイルは通常のIFX治療時と同様であり、他剤からの切り替えに伴う特異的な事象は認められなかった。

 以上の結果より、ETNまたはADAが無効か効果不十分な症例に対するIFXへの切り替えは、約50%の患者にEULAR基準でmoderate response以上の改善をもたらすことが示された。切り替えには安全性の問題も認められず、他のTNF阻害薬治療で無効もしくは効果不十分な場合は、IFXへの切り替えが有力な選択肢となるものと考えられた。

(日経メディカル別冊編集)