オランダ・ユトレヒト大学医療センターリウマチ臨床免疫科のMarije F. Bakker氏

 MTXをベースとした関節リウマチ(RA)治療で、治療開始早期の治療への反応が長期予後の独立な予後予測因子になることが示された。積極的治療(タイトコントロール)と通常の治療を、2年間にわたって比較した臨床試験「CAMERA」のフォローアップ研究で明らかになったもの。オランダ・ユトレヒト大学医療センターリウマチ臨床免疫科のMarije F. Bakker氏が、6月16日から19日までローマで開催された第11回欧州リウマチ学会(EULAR 2010)で発表した。

 CAMERA(The Computer Assisted Management in Early Rheumatoid Arthritis)試験は、オープンラベル無作為化介入試験で、患者を積極的治療群と通常治療群に割り付けた。両群とも基本的にMTXの増減で治療を最適化する。主な相違点は、(1)積極群では4週に1度、通常群は3カ月に1度の受診、(2)積極群は、受診のたびに圧痛/腫脹関節数、血沈、総合健康度などを測定・収集し、診断支援ソフトで適切かどうかを判定する。通常群は専門医が治療方針を決める、などの点。

 Bakkar氏らは本研究で、CAMERA試験の参加者299人のうち、5年目のデータが得られた205人(積極群102人、通常群103人)を対象とした。

 まず、積極的治療群と通常治療群を比較したところ、5年目のDAS28値の平均値が、積極群で2.68、通常群で2.75。画像的関節病変評価の進行率の中央値は、積極群1.4、通常群0.8で、ともに両群間で有意差はみられなかった。

 次に、6カ月時点の治療成績をもとにEULAR改善規準によって参加者を、反応良好(good)群(205人中68人)、中等度反応(moderate)群(同84人)、反応なし(no)群(同45人)の3群に分けた。

 この各群について、5年目のDAS28値の平均値を比較すると、good群が2.39、moderate群が2.69、no群が3.11。画像的関節病変評価の進行率の中央値は、good群が0.6、moderaete群が1.5、no群が2.5だった。

 DAS28値については、good群がno群に対して、有意に良好な結果(p=0.001)となり、画像的評価については、good群がmoderate群(p=0.013)、no群(p=0.001)に対してそれぞれ有意に良好だった。多変量解析の結果では、治療開始早期のEULAR改善規準による評価は、当初の治療戦略とは無関係に、5年目の長期予後に対する独立な予測因子であることが示された。

 臨床試験直後(2年目)の評価では、より有効とされた積極的治療の効果が、5年目には消失していたことについて、Bakker氏は、「早期における治療への反応が長期予後の独立な予測因子になっていることから考えて、治療への反応が良好でない患者に対しては、長期にわたって積極的治療を維持する必要があることを示す結果ではないか」と考察していた。

(日経メディカル別冊編集)