デンマーク・Gentofte大学病院のJ. Lindhardsen氏

 関節リウマチ(RA)患者と糖尿病患者が心筋梗塞を発症するリスクは健康な人に比べて高く、なかでも50歳未満の女性患者では、いずれの疾患の患者も健康人の約6倍と高いことが明らかになった。6月16日から19日にローマで開催された第11回欧州リウマチ学会(EULAR 2010)で、デンマーク・Gentofte大学病院のJ. Lindhardsen氏が、大規模コホート研究の成果として発表した。

 Lindhardsen氏らは、デンマーク国立レジストリーのデータを用い、1997年をベースラインとして、2007年までに新たにRAを発症した1万547人と、新たに糖尿病を発症した13万2868人を対象とした。期間内に心筋梗塞を発症した割合を、対照群402万343人のデータと比較した。

 その結果、対照群の心筋梗塞発症リスクを1としたときの、RA群の心筋梗塞発症リスクは1.65(95%信頼区間:1.46-1.86)、糖尿病群の心筋梗塞発症リスクは1.73(95%信頼区間:1.68-1.79)となった。

 患者を50歳未満、50〜65歳、65歳超の3群に分けて検討したところ、50歳未満では、RA群で対照群の約3倍、糖尿病群で対照群の約5倍となった。50歳以上の群では、RA群、糖尿病群とも、対照群より高い傾向は示したものの、大きな差はつかなかった。

 さらに、男女別に検討を加えたところ、50歳未満の女性では、心筋梗塞の発症リスクがRA群、糖尿病群ともに対照群の約6倍と高値を示した。50歳未満の男性でも、糖尿病群では対照群の約5倍、RA群では対照群の約2倍となった。

 Lindhardsen氏は、「RA患者の治療においては、心血管疾患リスクが糖尿病と同様に高いことを念頭に置く必要がある。特に50歳未満の女性においては、早めの治療開始が重要と思われる」と指摘した。

(日経メディカル別冊編集)