飲酒が関節リウマチ(RA)や変形性関節症(OA)などの関節炎のリスクを減らすかもしれない――。6月16日から19日までローマで開催されている第11回欧州リウマチ学会(EULAR 2010)で、このような意外な報告があった。オランダ・ライデン大学医療センターのAnnekoos Leonoor Huidekoper氏によるもの。

 Huidekoper氏らは、ライデン早期関節炎コホートに登録されたRA患者651人、OA患者73人、他の関節炎患者273人のデータを抽出、健康な対照群5877人と、アルコール摂取の有無を比較した。

 その結果、対照群では83%が飲酒していたのに対し、RA患者群は56%(オッズ比:0.27、95%信頼区間:0.22-0.34)、OA患者群は53%(オッズ比:0.31、95%信頼区間:0.16-0.62)、他の関節炎患者群は64%(オッズ比:0.34、95%信頼区間:0.24-0.48)にとどまり、関節炎を有する患者ではアルコール摂取者が少ないことが明らかになった。

 血沈(ESR)からみた炎症レベルが、アルコールの摂取に伴い上昇する相関関係がみられることも明らかになった(p<0.001)。ただし、アルコール摂取量と関節炎の進行度についての相関は認められなかった。

 Huidekoper氏は、「以前から、飲酒がRAに良い影響をもたらすとの報告がある。われわれの今回の研究でも、RAやOAなどの関節炎を有する患者のアルコール摂取量は健康な人よりも少なかった。全身性の炎症疾患があると、アルコールの摂取量が減少していく可能性があるし、アルコール摂取がこうした全身性の炎症疾患の進行を抑制する方向に働く可能性もある」と推測した上で、炎症経路のさらなる解明に意欲をみせた。

(日経メディカル別冊編集)