若年性特発性関節炎JIA)は小児期に発症し、関節を主病変とする原因不明の慢性炎症性疾患である。チェコ・Institute of Rheumatology PragueのJarosova Katerina氏らは、同国の患者レジストリー・ATTRAのデータベースを利用し、成人JIA患者に対する抗TNFα薬の効果と安全性を検証。初めて抗TNFα薬を用いた場合も、他の抗TNFα薬から切り替えた場合も、高い有効性と安全性が確認されたことを明らかにした。成果はコペンハーゲンでこのほど開催された欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)3日目、6月12日のポスターセッションで報告した。

 ATTRAは、生物学的製剤による治療を受けた慢性リウマチ性疾患患者を対象としたチェコの国営レジストリーである。これに登録された成人JIA患者は105例(うち女性66例)、平均年齢は25.2歳、平均罹病期間は15.4年だった。また、最初に処方された抗TNFα薬は、インフリキシマブ(IFX)が67例(63.8%)、アダリムマブが14例(13.3%)、エタネルセプト(ETN)が24例(22.9%)であった。

 上記105例中80例(76.2%)の患者は、現在使用中の薬剤が初めての抗TNFα薬であった。DAS28は、ベースライン時の6.38±0.71から、54週目には2.87±1.46へと低下し(p<0.001)、108週目にはさらに2.55±1.31まで低下していた。

 一方、25例(23.8%)の患者は、効果不十分や2次無効、副作用などの理由により他の抗TNFα薬からの切り替え例であった。現在使用中の薬剤が2剤目の抗TNFα薬である患者が大部分(20例、19.0%)だったが、3剤目、4剤目という患者もそれぞれ3例(2.9%)と2例(1.9%)含まれていた。

 これらの患者においても、DAS28はベースライン時の5.97±0.9から54週目には3.18±1.97へと低下(P<0.001)し、その状態は108週目にもほぼ維持されていた(3.94±0.61)。DAS28の低下において、抗TNFα薬間の切り替えのない患者群と切り替えのあった患者群の間に有意差はみられなかった(P=0.346)。

 また、抗TNFα薬へのアドヒアランスは、抗TNFα薬間の切り替えのない患者群では1年目91%、2年目74%だったのに対し、切り替えのあった患者群では1年目80%、2年目61%と、前者よりいくぶん低めだったが、両群間に有意差は検出されなかった(p=0.501)。

 さらに、有害事象による中止率は、切り替えのない患者群が1年目6%、2年目4%、切り替えのあった患者群が1年目10%、2年目12%であり、両群で同等かつ低率であった。同様に、効果不十分による中止率は、切り替えのない患者群が1年目1%、2年目4%、切り替えのあった患者群が1年目5%、2年目0%であり、これも両群で同等かつ低率であった。

 以上のように、成人JIA患者では、初めて抗TNFα薬を用いた場合も、他の抗TNFα薬から切り替えた場合も安全かつ効果的であることが確認された。Katerina氏らは、「関節リウマチの場合と同様に、1剤目の抗TNFα薬が使えなくなった場合は、他の抗TNFα薬に切り替えることによって再び良好な疾患コントロールが得られるのではないか」と述べた。