米国Albany Medical CenterのJ. Kremer氏

 ヒト化抗TNF抗体ゴリムマブ(golimumab)は、これまでの臨床試験から皮下注射で有効性が確認されている新規関節リウマチRA)治療薬だ。しかし、同薬を12週ごとに静脈内投与した第3相の二重盲験ランダム化比較(T12試験)では、主要エンドポイントの改善がみられなかった。米国Albany Medical CenterのJ. Kremer氏が6月10日から13日までデンマーク・コペンハーゲンで開催された第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で発表した。

 今回の臨床試験は、MTXで効果が見られないRA患者を対象に、ゴリムマブを12週ごとに静脈内投与し、その効果を確認する目的で行われた。ゴリムマブ2mg/kgまたは4mg/kgをMTXと併用する群(各129人、128人)、ゴリムマブ2mg/kgまたは4mg/kg+プラセボ群(128人、129人)、MTX+プラセボ群(129人)の5群で比較した。欧米、欧州、中南米、豪州などの85医療機関から、643人のRA患者が登録された。

 登録患者の条件としては、過去に3カ月以上のMTX(MTX15-25mg/kg)の使用経験があり、活動性のRAを有する場合とした。活動性RAの定義としては、(1)CPRが1.5mg/dL以上かESRが28mm以上、(2)朝の関節のこわばりが30分以上継続、(3)X線またはMRIで骨びらんが認められる場合、(4)抗CCP抗体かリウマトイド因子(RF)が陽性、のうち2項目以上を満たす場合とした。

 各群で、16週の時点で腫れや痛みのある関節数が2割以上増えた患者には追加の治療を行い、24週の時点では用量の調整を行った。

 主要エンドポイントは14週目におけるACR50の達成率とした。2次エンドポイントとしては、24週目のACR50の達成率、14週目、24週目におけるACR20の達成率、CRPを用いたDAS28なども評価された。

 その結果、主要エンドポイントである14週目におけるACR50を達成した患者の割合は、MTX+プラセボ群13.2%、ゴリムマブ2mg群+プラセボ群12.5%、ゴリムマブ4mg+プラセボ群19.4%、ゴリムマブ2mg+MTX群21.7%、ゴリムマブ4mg+MTX群21.1%となった。MTX+プラセボ群に比べ、ゴリムマブ+MTX群においてACR50の達成率が高い傾向は見られたが、有意な差は確認できなかった(p=0.051)。

 ただし、セカンドエンドポイントである24週目におけるACR達成率は、MTX+プラセボ群9.3%、ゴリムマブ2mg群+プラセボ群8.6%、ゴリムマブ4mg+プラセボ群11.6%、ゴリムマブ2mg+MTX群18.6%、ゴリムマブ4mg+MTX群25.0%となり、MTX+プラセボ群に比べ、ゴリムマブ+MTX群のACR50の達成率がさらに高い傾向が示された(p=0.002)。

 ACR20における評価では、MTX+プラセボ群24.8%、ゴリムマブ2mg群+プラセボ群22.7%、ゴリムマブ4mg+プラセボ群29.5%、ゴリムマブ2mg+MTX群37.2%、ゴリムマブ4mg+MTX群50.0%となり、MTX+プラセボ群に比べ、ゴリムマブ+MTX群のACR20の達成率が有意に高かった(p<0.001)。

 24週目のDAS28で良好または中等度の改善を示した患者の割合は、MTX+プラセボ群40.3%、ゴリムマブ2mg群+プラセボ群37.5%、ゴリムマブ4mg+プラセボ群48.8%、ゴリムマブ2mg+MTX群53.5%、ゴリムマブ4mg+MTX群68.0%であった。ゴリムマブ2mg+MTX群に比べ、ゴリムマブ4mg+MTX群において有意な改善が確認された(p<0.001)。

 一方、有害事象として最も多く報告されたのは感染だったが、ゴリムマブ投与群と非投与群で有意な差はなかった。また、投与時反応(infusion reaction)も認められなかった。

 薬物動態の解析も行われた。その結果、ゴリムマブの血中定量下限濃度(LLOQ)0.2μg/mLに満たない患者の割合が多いことが明らかになった(12週投与前2mg/kgで91%、4mg/kgで57%、24週投与前で87%、50%)。

 このことからKremer氏は、「12週ごとの投与方法では効果を十分に得るために不十分なのだろう。例えば8週ごとに2mg/kgの投与方法がより良い可能性がある」とまとめた。