フランス・ジュールベルヌ大学アミエン病院リウマチ科のLan-Anh Cao Pham氏

 関節リウマチRA)患者が強い疲労感に悩まされることは知られているが、寛解DAS28<2.6)を達成していても、6割超が強い疲労感を感じているという研究成果が報告された。「医療者が積極的に聞かない限り、患者は疲労感を訴えてこない」という。100人のRA患者を対象としたフランスの調査研究に基づくもので、6月10日から13日まで、コペンハーゲンで開催されてきた第10回欧州リウマチ学会・年次集会(EULAR2009)で、フランス・ジュールベルヌ大学アミエン病院リウマチ科のLan-Anh Cao Pham氏らが発表した。

 Cao Pham氏らは、診断が確定しているRA患者に対する調査を実施、完全な回答を得た100人のデータを分析した。対象者の平均年齢は57±13.9歳、女性77人、男性23人、平均罹患期間は13.7±9.2年だった。

 RAの活動性を示すDAS 28値は平均3.3±1.1、高活動性(DAS>5.1)が13.9%、中等度(5.1≧DAS≧3.2)が52.5%、低活動性(3.2>DAS≧2.6)で、寛解(DAS<2.6)が16.8%だった。また、患者の78.1%には画像的損傷がみられた。

 0-100mmの範囲で疲労感を示すVAS(visual analogue scale)の平均値は50±24mm。実に83%の患者が疲労感を感じており、高度(VAS>50mm)な疲労感をもつとした患者が63%を占めた。疲労感なし(VAS<20)は17%に過ぎなかった。

 多変量解析によって得られた高度な疲労感の有意な予測因子は、痛みについてのVASスコア、健康関連QOLの尺度であるSF36の「活力」の項目、腫脹関節数、および握力の4項目だった。一方、生物学的製剤を含む抗リウマチ薬の使用、DAS 28との関連性はみられなかった。

 同氏らは、詳細なインタビューが可能だった18人(女性12人、男性6人)から、疲労感についての質的表現を聞き取った。その結果、患者自身が感じる疲労感の原因としては、痛み、関節の腫脹、不眠、精神的問題、家族問題、ステロイドやメトトレキサート投薬における不快な体験などが挙がったという。「痛みは恐怖そのもの。先生には想像もつかないでしょう。ぐったりです。何もできない」(58歳女性)。「セックスライフはどうかですって? 崩壊ですよ」(52歳男性)などの訴えがあった。

 Cao Pham氏は、「患者さんに『調子はいいですか?』と尋ねると『はい』と答えるが、『疲れていますか?』と聞くと、やはり『はい』と答える」と指摘、積極的に聞き取りをしない限り、患者は疲労感を訴えようとしないと、注意を呼びかけていた。